7月の行事といえば、子供たちにも人気の七夕です。
七夕になると、保育園や幼稚園、学校だけでなく、家庭でも笹を飾ったり、短冊に願い事を書いたりしますよね。
ところが、子供から「七夕ってなに?」「どうして織姫と彦星は会えないの?」「なんで短冊にお願いを書くの?」「どうして笹に飾るの?」と聞かれると、意外と答えるのが難しいものです。
七夕は、中国から伝わった星祭りや、日本に古くからあった行事などが結びついて現在の形になったため、大人でも由来を一言で説明するのは簡単ではありません。
そこでこの記事では、難しい歴史の話をそのまま説明するのではなく、小さな子供にも伝わりやすい言葉に置き換えながら、七夕について紹介します。
「子供に七夕をどう説明すればいい?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
なお、七夕の由来や歴史を大人向けに詳しく知りたい場合は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
七夕を子供に分かりやすく説明するなら?まずは簡単な言葉で伝えよう

七夕の季節になると、子供たちは「七夕ってなあに?」と疑問に思うことがあります。
大人からすると当たり前のように感じる七夕ですが、初めて経験する子供にとっては、笹に色とりどりの飾りがついていたり、短冊に願い事を書いたりすること自体が不思議ですよね。
しかも、七夕には織姫と彦星の伝説、中国から伝わった星祭り、日本の古い行事など、いくつもの文化が関係しています。
そのため、小さな子供に七夕の歴史を最初から詳しく説明しようとすると、かえって分かりにくくなってしまいます。

幼児くらいの子供であれば、まずは次のように簡単に伝えてみるのがおすすめです。
「七夕は、織姫さんと彦星さんがお空で会える日なんだよ。短冊にお願いを書いて、笹に飾ってみようね」
これくらい簡単な説明でも、七夕の楽しさを伝えることはできます。
その後に子供が「織姫って誰?」「彦星は?」「どうして会えないの?」と興味を持ったら、少しずつ物語を追加してあげるとよいでしょう。

七夕は「知識を覚えさせる日」というより、親子で季節を楽しむきっかけにすると分かりやすいですよ。
子供には「七夕=お願い事をする日」だけで説明してもいい?
もちろん、最初はそれだけでも大丈夫です。
特に2~3歳くらいの子供の場合、七夕の歴史や中国との関係まで詳しく説明しても、すべてを理解するのは難しいでしょう。
まずは、
- 七夕という季節の行事がある
- 笹を飾る
- 短冊に願い事を書く
- 七夕飾りを作る
- 夜に星空を見る
という「実際に体験できること」を教えてあげると、子供にとって七夕が身近なものになります。
そして子供が大きくなってから、「どうして短冊を書くの?」「織姫と彦星ってどんな人?」と聞いてきたら、少しずつ由来を教えてあげれば十分です。
まずは織姫と彦星の伝説を簡単に説明する
七夕といえば、やはり織姫と彦星ですよね。
七夕の物語にはいくつかの伝承がありますが、子供に説明するときには細かい部分を省いて、次のように話してみると分かりやすいでしょう。
「織姫さんと彦星さんは、天の川という星の川をはさんで暮らしているんだよ。でも、1年に1度、七夕の日に会えると言われているんだよ」
もう少し物語を聞きたがったら、織姫は機織りが得意な女性、彦星は牛の世話をする男性として紹介してあげてもよいでしょう。
二人は結婚すると仕事をしなくなってしまい、それを怒った天の神様によって天の川の両岸に離されてしまった、という有名な物語があります。
ただし、七夕の物語には地域や伝承による違いもあります。そのため、子供には「昔から伝わっているお話だよ」と伝えておくと、昔話として楽しみやすくなります。

子供が小さいうちは、難しい設定より「離れて暮らす織姫と彦星が、七夕の日に会える」という部分を中心にすると伝わりやすいですよ。
また、織姫と彦星の物語を口で説明するだけでなく、紙芝居や絵本、人形などを使って見せてあげるのもおすすめです。
子供にとっては、文章を聞くだけよりも、絵を見ながら話を聞いたほうがイメージしやすいからです。
短冊とお願い事を子供に分かりやすく説明する
七夕になると、色とりどりの短冊に願い事を書いて笹に飾ります。
「大きくなったら○○になりたい」「家族が元気でいられますように」「○○が上手になりますように」など、子供の年齢によって願い事も変わっていきます。
子供に説明するときには、
「七夕には、自分のお願いや、できるようになりたいことを書いて飾るんだよ」
くらいの説明から始めるとよいでしょう。
昔の七夕では、現在のように何でも自由に願うというより、書道や裁縫などの技芸が上達することを願う風習もありました。現在の七夕の短冊は、こうした願いを込める習慣が身近な形に変化したものとして楽しむことができます。

そのため、子供と一緒に短冊を書くときも、「何をお願いしたい?」と聞いてみると、子供の成長を感じられる良い機会になります。
七夕飾りを子供と一緒に作ってみる
七夕を説明するだけではなく、実際に七夕飾りを一緒に作ると、子供にとって七夕がさらに分かりやすくなります。
折り紙を使って星や網飾り、輪飾りなどを作ったり、短冊に好きな絵を描いたりするだけでも十分です。
まだ文字を書けない小さな子供なら、親が願い事を書いて、子供には絵を描いてもらう方法でも構いません。
「自分で作った飾りを笹につける」という体験そのものが、七夕の思い出になります。

七夕は「説明して終わり」ではなく、一緒に作って、一緒に飾るところまで楽しむのがおすすめです!
七夕当日は夜空を一緒に見上げてみる
七夕と星は深い関係がありますが、現在の暦の7月7日は、日本では梅雨の時期と重なることが多く、地域によっては雨や曇りで星が見えないこともあります。
そのため、「七夕なのに天の川が見えない!」とがっかりする必要はありません。
晴れていれば、親子で夜空を見上げて、星を探してみましょう。
「あれが織姫かな?」「彦星はどこにいるかな?」などと話しながら星を見るだけでも、七夕らしい時間になります。
ちなみに、現在の7月7日とは別に、旧暦に近い日付で行う「伝統的七夕」という考え方もあります。国立天文台によると、伝統的七夕は太陰太陽暦に基づく七夕で、現在の暦の7月7日とは毎年同じ日にはなりません。:contentReference[oaicite:0]{index=0}

「なぜ七夕の日なのに星が見えにくいの?」という疑問から、昔の暦や季節について子供と話してみるのも面白いでしょう。
七夕を子供に説明するときは「体験」と一緒に伝えるのがおすすめ
七夕の由来をすべて正確に説明しようとすると、子供にとっては少し難しくなってしまいます。
最初は、
- 織姫と彦星が会える日
- 短冊に願い事を書く日
- 笹に七夕飾りをつける日
- 星空を楽しむ日
というように、子供が実際に体験できることから教えてあげるとよいでしょう。
そして「どうして?」「なぜ?」と質問されたら、その都度少しずつ七夕の由来を教えてあげれば十分です。
七夕は、単に「願い事を書く日」として終わらせるのではなく、親子で季節を感じたり、日本の昔からの文化に触れたりするきっかけにもなります。

子供と一緒に短冊を書いたり、七夕飾りを作ったり、夜空を眺めたりしながら、楽しく七夕を過ごしてみてはいかがでしょうか。
七夕の絵本おすすめは?子供に分かりやすく説明できる絵本を紹介

七夕の由来を口で説明するのは、意外と難しいですよね。
織姫と彦星の話だけでなく、短冊や笹飾り、七夕の風習なども出てくるため、小さな子供には少し複雑に感じられることがあります。
そんなときに便利なのが七夕をテーマにした絵本です。
絵本なら、織姫と彦星がどんな人物なのか、なぜ二人が離れて暮らしているのかなどを、絵を見ながら自然に理解できます。
また、七夕の絵本には「織姫と彦星の伝説」を中心にしたものだけでなく、七夕の行事や短冊、七夕飾りなどを扱ったものもあります。

そのため、子供の年齢や「何を知ってほしいのか」に合わせて選ぶのがおすすめです。
七夕の絵本を選ぶときのポイント
七夕の絵本を選ぶときは、単純に「人気がある本」だけで決めるのではなく、子供の年齢や目的を考えて選ぶと失敗しにくくなります。
| 目的 | おすすめの絵本 |
|---|---|
| 七夕を初めて知る | 短い文章で七夕を紹介する絵本 |
| 織姫と彦星を知りたい | 七夕伝説を中心にした昔話絵本 |
| 七夕の由来を知りたい | 行事の由来を紹介する絵本 |
| 親子で七夕を楽しみたい | 七夕飾りや遊びを扱った絵本 |
特に2~3歳くらいまでの子供なら、文章量が多い本よりも、絵を見ながら短いお話を楽しめるもののほうが読み聞かせしやすいでしょう。

一方、幼稚園の年長さんから小学校低学年くらいになると、織姫と彦星の関係や七夕の由来など、少し長いお話でも楽しめるようになります。
「みんなのおねがい」
- 作:すとうあさえ
- 絵:おおいじゅんこ
- 出版社:ほるぷ出版
「みんなのおねがい」は、七夕の時期に子供と一緒に読みたい絵本の一冊です。
特に、七夕のお願い事や七夕飾りに興味を持ち始めた子供に向いているでしょう。
七夕という行事を「織姫と彦星の物語」だけでなく、子供自身が願い事をする行事として楽しむきっかけにできます。
七夕の時期に「今年は何をお願いしようか?」と親子で話しながら読むのもよいですね。

七夕の「お願い事」を子供に分かりやすく伝えたいときに、絵本を使ってみるのもいいですね。
絵本を読んだあとに、実際に短冊を書いて笹に飾ってみれば、絵本の中の七夕と現実の七夕がつながります。
「たなばたものがたり」
- 作:舟崎克彦
- 絵:二俣英五郎
- 出版社:教育画劇
「たなばたものがたり」は、七夕の行事そのものを紹介するというより、織姫と彦星の伝説を知りたい子供に向いている絵本です。
織姫と彦星がどのように出会い、なぜ離れ離れになってしまったのかという物語を中心に楽しめるため、「七夕ってどうして織姫と彦星のお話なの?」という疑問に答えるきっかけにもなります。
七夕の由来を子供に説明したい場合には、こうした物語形式の絵本が特に役立ちます。

「七夕の由来を知りたい」のか、「七夕の楽しみ方を知りたい」のかで、選ぶ絵本を変えるのがおすすめです。
「たなばたのおはなし」
七夕の由来をできるだけ簡単に知りたい小さな子供には、ポプラ社の「たなばたのおはなし」も候補になります。
この絵本は「はじめての世界名作えほん」シリーズの一冊で、七夕の由来話を扱っています。
ポプラ社の公式情報では、対象年齢・学年は1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳、小学1年生とされており、読み聞かせから一人読みに移っていく時期まで幅広く楽しめる作品です。34ページの小さな絵本で、持ち運びしやすいサイズになっています。
また、本文の漢字やカタカナにはルビが付けられているため、子供が自分で読む場合にも使いやすい構成です。

七夕の由来を「難しい歴史」として教えるのではなく、昔話として楽しみながら知ってもらいたい家庭に向いているでしょう。
年齢別に選ぶならどの七夕絵本がおすすめ?
七夕の絵本を選ぶときに迷いやすいのが、「何歳くらいの子供ならどの絵本がいいの?」という点です。
もちろん子供によって好みや理解力は違いますが、目安として考えるなら次のように選ぶと分かりやすいでしょう。
| 年齢の目安 | 選び方 | おすすめの内容 |
|---|---|---|
| 1~2歳 | 短くて絵が分かりやすい | 七夕の雰囲気を楽しめる絵本 |
| 3~4歳 | 簡単な物語がある | 織姫・彦星や七夕飾りの絵本 |
| 5~6歳 | 少し長い物語も楽しめる | 七夕の由来や伝説を扱った絵本 |
| 小学校低学年 | 物語の背景も理解しやすい | 七夕伝説や昔の風習を扱った本 |
たとえば「七夕という行事を初めて知ってもらいたい」なら、文章量の少ない絵本から始めるとよいでしょう。
一方で、子供がすでに「織姫と彦星はどうして会えないの?」と疑問を持っているのであれば、七夕伝説を中心にした絵本を選んだほうが、子供の興味に合います。

大切なのは「年齢だけで決める」のではなく、子供が今どこに興味を持っているかを見ることです。
七夕の絵本を読んだ後に短冊を書いてみよう
七夕の絵本は、読むだけで終わらせるよりも、読み終わった後に実際の七夕を体験してみると、子供の記憶にも残りやすくなります。
たとえば絵本を読み終わった後に、
- 「織姫と彦星はどんな人だった?」
- 「七夕の日には何をするのかな?」
- 「何をお願いしたい?」
- 「どんな七夕飾りを作ってみたい?」
などと聞いてみるのもおすすめです。
そして親子で短冊に願い事を書き、笹に飾ってみましょう。
まだ字を書けない子供なら、親が文字を書いて、子供には好きな絵を描いてもらっても構いません。
絵本で知った「七夕」が、実際の生活の中で体験できることで、子供にとって七夕がより身近な季節行事になります。

絵本を読んで終わりではなく、短冊を書いたり七夕飾りを作ったりすると、親子の思い出にもなりますよ!
七夕の絵本は「由来を知る」「行事を楽しむ」で選ぶ
七夕の絵本には、それぞれ違った魅力があります。
織姫と彦星の物語を知りたい子供には七夕伝説を扱った絵本、七夕という行事そのものを知りたい子供には短冊や飾りなどを扱った絵本が向いています。
「七夕の絵本なら何でも同じ」と考えず、子供が今どんなことを知りたがっているのかを考えて選ぶとよいでしょう。
特に初めて七夕を迎える子供なら、絵本をきっかけにして「今日は七夕なんだよ」「一緒にお願い事を書いてみようか」と会話を広げるだけでも十分です。

七夕は毎年やってくる行事だからこそ、子供が成長するにつれて同じ絵本でも感じ方が変わっていくのも面白いところです。
七夕に笹の葉を使うのはなぜ?笹飾りの由来を分かりやすく解説

七夕の飾りで特徴的なのが、笹や竹に短冊や七夕飾りをつるす風習です。
子供から「どうして七夕は笹なの?」と聞かれることもありますが、実はこれも七夕の由来と深く関係しています。
「笹には殺菌力があるから七夕に使う」と説明されることがありますが、これだけを七夕の由来として断定するのは適切ではありません。
七夕の笹竹については、昔から竹や笹の強い生命力、まっすぐ伸びる姿、神聖なものとしての扱いなど、いくつかの文化的な意味が重なってきたと考えられています。
国立国会図書館のレファレンス協同データベースでも、七夕の笹について「精霊の依り代」とする資料や、七夕の竹を神聖なものとして扱った資料が紹介されています。

「笹だから願いがかなう」という単純な話ではなく、昔の人が竹や笹に感じていた生命力や神聖さが、七夕の風習につながっていると考えると分かりやすいですね。
笹や竹は生命力が強く、昔から特別な植物と考えられていた
竹や笹は、ほかの植物と比べても独特の姿をしています。
地面からまっすぐ上へ伸び、種類によっては非常に速いスピードで成長します。
そのため昔の人々は、竹や笹に強い生命力を感じていたと考えられています。
また、竹は中が空洞になっていることも特徴です。
古くから竹や笹は生活用品として使われてきただけでなく、神事などでも特別な植物として扱われてきました。
こうした背景が、七夕で笹竹を使う文化にもつながっています。
笹は神様や精霊が宿る「依り代」と考えられていた
「依り代(よりしろ)」という言葉は、少し難しく聞こえますよね。
簡単にいうと、神様や精霊などが宿るもの、または神様を迎えるためのものと考えると分かりやすいでしょう。
国立国会図書館のレファレンス協同データベースでは、七夕に笹を立てることについて「精霊の依り代」という意味があったとする民俗資料が紹介されています。さらに、竹や笹には強い生命力を感じ、そこに神霊が宿るという伝承があったことも紹介されています。
つまり、短冊をただ木にぶら下げていたのではなく、神聖なものと考えられていた笹竹に願いを託したと考えると、七夕の飾りが少し違って見えてきます。

子供に説明するときは「笹は神様を迎えるための特別な植物だと昔の人は考えていたんだよ」と言うと、イメージしやすいですよ。
天に向かって伸びる笹に願いを託した
七夕の笹竹が高く伸びることにも意味を見いだすことができます。
竹や笹は、地面から空に向かってまっすぐ伸びていきます。
その姿から、願いが天まで届くようにというイメージと結びつけて考えることができます。
もちろん「願い事が笹によって本当に天へ届けられる」という意味ではありません。
昔の人が自然の姿に願いを重ね、季節の行事として大切にしてきたと考えるとよいでしょう。
現在でも、子供たちは短冊に願いを書いて笹に飾ります。
「大きくなったら○○になりたい」「○○が上手になりますように」「家族みんなが元気でいられますように」など、願い事の内容は時代とともに変わっても、願いを込めて飾るという部分は七夕らしい風習として残っています。
笹の葉の「さらさら」という音も七夕らしさの一つ
風が吹くと、笹の葉が「さらさら」と音を立てます。
七夕の時期に笹を飾った経験がある方なら、この音を聞いたことがあるかもしれません。
昔の人は、こうした自然の音や植物の姿にも特別な意味を感じていました。
そのため、風に揺れる笹竹を見ながら七夕を祝うことは、単なる飾りつけではなく、季節や自然を感じる行事でもあったと考えられます。
子供に説明するときには、
「笹は昔から特別な植物だと考えられていて、神様を迎えるものとして使われてきたんだよ。空に向かって伸びるから、お願い事を届けるイメージもあるんだね」
くらいにまとめると分かりやすいでしょう。
七夕の笹に短冊を飾るのはいつから?
七夕そのものが古い歴史を持つ一方で、現在私たちがイメージする笹竹に短冊や飾りをつけるスタイルも、長い年月の中で少しずつ形を変えてきました。
七夕は、中国から伝わった星祭りなどと、日本に古くからあった行事が結びつきながら発展してきたとされています。
江戸時代になると五節句が幕府によって式日として定められ、七夕も年中行事として広く行われるようになりました。国立国会図書館や文化庁系の資料でも、七夕を含む五節句が江戸時代に広く普及したことが確認できます。
現在の七夕飾りは、こうした長い歴史の中で形を変えながら受け継がれてきたものです。
したがって「七夕では昔から今とまったく同じ形で笹に短冊を飾っていた」と考えるより、時代によってさまざまな風習が加わり、現在の七夕飾りになったと考えるほうが適切です。
七夕の笹に関する3つのポイントを簡単にまとめると
| ポイント | 意味・考え方 |
|---|---|
| 生命力 | 竹や笹の強く伸びる姿から、生命力の象徴と考えられた |
| 依り代 | 神様や精霊を迎えるためのものと考えられた |
| 願いを託す | 天に向かって伸びる笹に願いを込めるイメージにつながった |
このように考えると、七夕で笹を使う理由が少し分かりやすくなります。

「笹には殺菌力があるから」という一つの理由だけで覚えるのではなく、竹や笹が昔から神聖な植物として扱われ、生命力や依り代としての意味を持っていたことを知っておくと、七夕の文化をより深く理解できます。
なぜ七夕は祝日じゃないの?7月7日が休日ではない理由

七夕といえば毎年7月7日です。
学校や仕事が休みになるわけではありませんが、保育園や幼稚園、学校、地域の行事などでは七夕を楽しむことがあります。
そこで気になるのが、
「七夕は日本の五節句なのに、どうして祝日ではないの?」
という疑問です。
結論からいうと、現在の日本の「国民の祝日」を定める法律に、7月7日は含まれていないからです。
内閣府によると、現在の「国民の祝日」は「国民の祝日に関する法律」によって定められており、2026年も年間16日です。七夕の7月7日は、その一覧には含まれていません。
つまり、七夕が重要な日本文化ではないから祝日ではない、という意味ではありません。
「五節句であること」と「現在の国民の祝日であること」は別の制度なのです。
七夕は日本の「五節句」の一つ
五節句とは、次の5つの節句を指します。
| 日付 | 節句 | 現在の呼び方・行事 |
|---|---|---|
| 1月7日 | 人日(じんじつ)の節句 | 七草の節句・七草 |
| 3月3日 | 上巳(じょうし)の節句 | 桃の節句・ひな祭り |
| 5月5日 | 端午(たんご)の節句 | こどもの日 |
| 7月7日 | 七夕(しちせき・たなばた)の節句 | 七夕 |
| 9月9日 | 重陽(ちょうよう)の節句 | 菊の節句 |
五節句は中国から伝わった文化をもとに、日本で発展してきた年中行事です。
国立国会図書館の資料では、日本では時代が下るにつれてこの5つの節句が重要な節日として扱われ、江戸幕府が五節句を式日として定めたと説明されています。

文化庁の文化遺産オンラインでも、1月7日の人日、3月3日の上巳、5月5日の端午、7月7日の七夕、9月9日の重陽を五節句として紹介し、江戸時代に幕府が式日を定めたことが説明されています。
「五節句=現在の祝日」ではない
ここは、七夕について説明するときに特に間違えやすいポイントです。
五節句は昔の日本で重要な行事の日でしたが、現在の国民の祝日とは別のものです。
内閣府が現在の国民の祝日として定めている日は、元日、成人の日、建国記念の日、天皇誕生日、春分の日、昭和の日、憲法記念日、みどりの日、こどもの日、海の日、山の日、敬老の日、秋分の日、スポーツの日、文化の日、勤労感謝の日の16日です。
この中に7月7日の七夕は入っていません。
そのため、七夕の日は原則として通常の平日です。

「五節句なのに祝日じゃないの?」と思ってしまいますが、昔の節句と現在の国民の祝日は別物なんですね~。
江戸時代には五節句が幕府の「式日」として定められていた
では、なぜ「七夕は昔から大切な日なのに祝日ではないの?」と思うのでしょうか。
その理由の一つは、江戸時代には五節句が現在とは違う意味で重要な日だったからです。
五節句は江戸時代に幕府によって式日として定められました。
ここでいう式日は、現在の「国民の祝日」と同じ意味ではありません。
国立国会図書館の資料では、五節句が江戸時代に特定の行事にあてられた定日として定められたことが説明されています。
つまり、現在の「カレンダー上の祝日」と昔の「公的な行事の日」を同じものとして考えないことが大切です。
明治時代に五節句の制度は廃止された
五節句の制度は、その後もずっと現在まで同じ形で続いたわけではありません。
明治時代になると制度が大きく変わり、明治6年(1873年)に五節句の公的な制度は廃止されました。
一方で、七夕そのものがなくなったわけではありません。
公的な制度としての五節句が廃止された後も、七夕は民間の年中行事として受け継がれていきました。
近年の文化財資料でも、五節句は明治6年に公的な行事として廃止されたものの、時代に合わせて変化しながら民間の行事として続いていることが紹介されています。
これが、現在でも7月7日に七夕を楽しむ文化が残っている理由の一つです。
では、なぜ5月5日のこどもの日は祝日なの?
5月5日は、昔から端午の節句として知られてきました。
そして現在では「こどもの日」として国民の祝日に定められています。
ただし、これは「五節句だから自動的に祝日になった」という意味ではありません。
現在のこどもの日は、戦後に制定された国民の祝日に関する法律によって定められています。
内閣府によれば、こどもの日は5月5日で、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨とする国民の祝日です。

つまり、現在の「こどもの日」は、歴史的な端午の節句とのつながりを持ちながらも、法律上は現在の国民の祝日として別に定められているのです。
七夕が祝日になっていない理由を簡単にまとめると
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| 七夕は五節句? | はい。7月7日の七夕は五節句の一つです。 |
| 昔から重要な日だった? | はい。江戸時代には五節句が幕府の式日として定められました。 |
| 現在も五節句は法律上の祝日? | いいえ。現在の国民の祝日とは別のものです。 |
| 7月7日は現在の国民の祝日? | いいえ。国民の祝日に関する法律で定められた祝日には含まれていません。 |
| なぜ5月5日は休み? | 現在は「こどもの日」として国民の祝日に定められているためです。 |
このように考えると、「七夕は五節句なのに、なぜ祝日ではないの?」という疑問も分かりやすくなります。
七夕が祝日ではないのは、七夕に歴史的な価値がないからでも、日本文化として重要ではないからでもありません。
現在の日本では、国民の祝日は法律によって別に定められており、七夕の7月7日はその対象になっていないということです。

七夕は祝日ではありませんが、毎年7月7日に親子で季節を感じられる大切な行事として楽しむことはできますよ。
まとめ
七夕は、毎年7月7日に行われる日本の代表的な年中行事の一つです。
織姫と彦星の物語が有名ですが、七夕にはそれだけではなく、中国から伝わった文化や日本の古くからの風習など、さまざまな文化が重なって現在の形になっています。
七夕に笹を飾るのも、昔から竹や笹が生命力の強い植物、神様や精霊を迎えるための「依り代」などとして特別に考えられてきたことと関係しています。
短冊に願い事を書いて笹に飾る風習も、七夕ならではの楽しみ方です。
また、七夕は五節句の一つですが、現在の国民の祝日ではありません。「五節句」と「国民の祝日」は別の制度なので、7月7日が平日になるのはそのためです。
子供に七夕を教える場合は、難しい歴史を最初から詳しく説明する必要はありません。
「織姫と彦星のお話があるんだよ」「笹にお願い事を書いて飾るんだよ」といったところから始め、七夕の絵本を読んだり、短冊を書いたり、七夕飾りを一緒に作ったりすると、楽しみながら日本の文化に触れられます。
七夕は毎年やってくる行事だからこそ、子供の成長に合わせて楽しみ方を変えられるのも魅力です。

七夕は「お願い事をする日」として楽しむだけでも十分ですが、由来や意味を少し知っておくと、いつもの七夕がもっと面白く感じられますよ。
今年の七夕は、ぜひ親子で七夕の由来を話したり、絵本を読んだり、願い事を短冊に書いたりしながら、季節の行事を楽しんでみてください。


