立志式は、数えで15歳(現在の14歳)の「立春の日(2月4日ころ)」に行われる、大人への通過儀礼「元服」に由来する儀式です。
「立春式」「元服式」「少年式」などと言われて親しまれていますが、開催は地域によるので、「聞いたことがない。」という方もいるのではないかと思います。
ここでは、立志式での手紙について紹介しています。
目次
立志式には手紙が必要不可欠?メインイベント?
一般的には、お祓いを受け、「烏帽子(えぼし)」をかぶるなどの風習がありますが、中学校の年中行事として行われる際には、目標の宣言、合唱、マラソン、有名人の講演会など、バラエティに富んだ形を設けているようです。
その中でも、多くの儀式でメインイベントとなるのが、親から子供への手紙、また、子供から親へ送る手紙になります。
手紙のイベントがない地域もありますが、基本的には立志式のメインイベントとしている地域・学校が多いでしょう。
立志式の手紙の意味・由来は?
ですが、親子で手紙を送りあうことはあまりありませんから、「何を書いたら良いのか?」と悩んでしまうこともあるでしょう。
立志式は、もともと通過儀礼として重んじられた「元服」に由来している儀式です。
昔は14歳で元服を行い大人になる覚悟を決めた
成人年齢は、少し前まで20歳、現在では18歳ですが、昔は14歳で元服を行い、大人になる覚悟を決めたと言われています。
つまり、立志式は大人になることを自覚させる儀式なので、立志式の手紙にも、子供の成長を促すという側面があることが大きな特徴です。
親からの手紙では、これからの人生の心構えを促すような文を、子供からの手紙には、ご両親への感謝の文面を入れると良いでしょう。
立志式の手紙の例文は?【親から子供と子供から親へ】
立志式の手紙の例文が知りたい!手紙を書く予定だ!って人は子供でも親でもぜひ参考にしてくださいね!
親から子供への手紙の例文は?【立志式】
親から子供へ送る立志式の手紙には、基本的には決まった形はありません。そのため、お手紙のような形式、ためになる詩や言葉、日ごろ書きとめておいた子供に伝えたかった言葉などを、自由に盛りこむと良いでしょう。
それでも、どうしても難しいという方は、こちらの例文を参考にしてみてください。
まずは、子供の名前を入れ、誰に対する手紙なのか、そして今14歳で、特別な節目の歳にいるということを伝えましょう。
「あの小さかった○○(名前)が、もう、こんなに大きくなったなんて信じられません。もう14歳、あっという間で少し寂しいですが、そろそろ将来のことを考えても良い時期が来ていますね。」
そして、子供がこれまで頑張ったことなどを振り返ります。思い出ばかりにならないように気をつけましょう。
「サッカーでケガをして、大会に出られない時もありましたね。○○はこつこつと努力をして、次の年には見事レギュラーを獲得しました。本当によくやったと思っています。」
そして大人になるとはどういうことか、「少し大変なこともあるよ。」という一面も伝えてあげます。
「これからも自分の目標に向かって、まっすぐ進んでください。大人になると、また、うまくいかないことがあるかもしれません。ですが○○は努力家なので、乗り切れると信じています。」
中学生くらいの子供さんは、すでになにかしらの不安を持っているものです。将来に不安を持たせないように、これから大変なことがあっても、自分たちがそばにいることを伝え、「安心して挑戦していいんだ。」と思わせてあげましょう。
「つらいこと、わからないこと、困ったことがあったら、お父さんとお母さんを頼ってください。わたしたちはいつでもあなたの一番の味方です。」
そして、安心して前に進めるように、背中を押してあげます。
「14歳で急に大人になれと言われても難しいよね。どんな大人になりたいかしっかり考えながら、いっしょにゆっくり進んでいこうね。」
いつでもあなたを見守っていると伝えられれば、親子の絆を深めることができるでしょう。
子供から親への手紙の例文は?【立志式】
この手紙は、大人になる覚悟を決めると同時に、ご両親やまわりの方への感謝を伝えることが大きな目的です。
まずは、夢や目標、これからどうなって行きたいのかをまとめましょう。
「僕には夢があります。それは、多くの人の命を救う、医師になることです。」
そして、今までの経験を振り返りながら、その夢を持った理由、体験談、こんなことをしていきたいという希望などを続けます。
「僕は今まで、少し気が弱いところがありました。ですが、コロナ禍の最前線で戦う医療界の方々を見て、自分もこんな風に強く活躍できる大人になりたいと思ったからです。」
最期に、今まで、そしてこれからを支えてくれるご両親に向けて、伝えられていなかった感謝の気持ちや、ねぎらいを伝えましょう。
「お父さんお母さん、いつも支えてくれてありがとうございます。僕がケガをして、サッカーの試合に出られなくなった時も、体にいい食事を作ってくれたり、一緒にトレーニングをしてくれたので、がんばれました。これから目標に向かってたくさん勉強をするので、応援してください。」
発表するからと言って「良く思われよう。」とせず、正直な言葉で、ご両親へお伝えするのが良いでしょう。
現在夢が見つかっていないという人は、「まだ夢はありません。少し焦りもありますが、両親の力を借りて探して行きたいです。」などとまとめると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?参考にはなりましたでしょうか?立志式のお手紙は、日ごろの感謝を伝えあうだけでなく、子供の目標を共有できるという、素晴らしい一面もありました。
親子で心の内を伝えあう機会は、普通に生活していると意外と少ないものなので、14歳という揺れ動く時期には、ぴったりなイベントと言えるでしょう。
立志式の開催は地域によるようですが、立志式でなくとも、時々こんな話し合いの時間を、親子で持ってみても良いのかもしれませんね。