夢はいつでも見られるわけではないので、「何も見なかった~。」と毎年、残念がっている人も多いと思います。この時期になると思い浮かべる言葉が「一富士 二鷹 三茄子」。
今回は、多くの人がなんとなく気にしている、「一富士 二鷹 三茄子」について調べてみたいと思います。実は「四扇・五煙草・六座頭」なんて言う続きがあったようですよ!
目次
「初夢」は新しい年になって見た夢?枕元にメモ用意?
「初夢」というのは、元旦の夜から2日の朝にかけて見る夢、というのが一般的ですが、実は「大晦日から元旦」、「2日から3日」という3つの説があります。
この3つの説は地域差もあり、決まった日が定められているわけではありません。
初詣や初セリのように、1年の中で初めてのものは縁起が良いと言われているので、日付にこだわらず、新しい年になって初めて見た夢と思っておいてよいでしょう。
夢は目が覚めた瞬間は覚えていても、時間が経過すると忘れてしまいますので、布団やベッドの枕元にメモ帳などを置いてメモする準備をしておくと忘れなそうですね。スマホのメモ機能でも出来そうです!
「初夢」の文化は昔からあった?「夢あわせ」は室町時代から?
昔の人は、夢占いのように「夢あわせ」という方法で、初夢から今年の吉凶を占っていたのだとか。「良い夢を見て、今年を良い一年にしよう。」と、枕の下に七福神ののった宝船の絵をしこむという風習は、なんと室町時代からありました。
江戸時代には、初夢用の七福神の絵を売る人も現れたようです。
現代でも、パワースポットの画像をダウンロードする人も多いですから、なんだか親近感が持てる発想ですよね。
初夢の「一富士 二鷹 三茄子」には続きがある?4番5番6番って?「四扇、五煙草、六座頭」?
これは、初夢で見ると縁起が良いものランキング、上位3位までを表した言葉です。この有名な言葉がいつから使われているかというと、実は江戸時代と言われています。
この「一富士、二鷹、三茄子」の3つは、縁起が良いとされるものを集めていますが、他にも徳川家にまつわる説がいくつかあります。
徳川家のあった駿河(するが)の国の名物を選んだという説、駿河の国の高いものを選んだという説、そして家康公の好きだったものを選んだという説などがあります。
ですが、縁起が良いと言っても、3つだけではなかなか夢の中に出てきてはくれませんよね。実は、このランキングには続きがあるのです。
4番5番6番は「四扇、五煙草、六座頭」
祭礼に使われた扇はわかりますが、煙草も当時の人々になじみがあったのですね。
座頭というのは、盲人の琵琶法師の方のことです。
意味由来は?一富士・二鷹・三茄子・四扇・五煙草・六座頭の意味由来を紹介!
「一富士、二鷹、三茄子」の意味由来
ですが、鷹や茄子が、なぜ縁起ものと言われるのかまでを知っている人は、少ないかもしれませんね。
「富士」の意味由来【1番】
1番の「富士」はもちろん、富士山のことを指します。
日本一の高さを誇り、たたずまいが立派で末広がりな富士山は、誰が見ても良い運気の象徴と言えます。
駿河の国の自慢の名峰だったことがうかがえますね。「不死」や「無事」とかかっているとも言われています。
「鷹」の意味由来【2番】
2番の「鷹」は、鳥の王様です。
富士山麓の鷹は有名で、家康公も鷹狩がご趣味だったとか。こちらも「高い」という言葉とかかっている縁起ものです。
茄子の意味由来【3番】
3番の茄子は、多くの人が「?」と思っているでしょう。駿河の国では、おいしい初茄子が非常に高値でした。家康公も茄子がとってお好きだったことなどから由来しています。
また「生す(生みだすという意味)」や「成す(形を成す、成しとげるの意味)」ともかかっているようです。
「四扇、五煙草、六座頭」の意味由来
扇の意味由来【4番】
4番の扇は、そのまま「扇」の事です。
もともと祭礼などにも使われることから縁起ものとされていましたが、その末広がりの形から、商売繁盛や子孫繁栄の象徴とされてきました。
煙草の意味由来【5番】
5番の煙草は、人々の集まる席で和やかな雰囲気をもたらすもの。そして、煙が立ちのぼる様子が、運気上昇を表すなどの意味から縁起ものとされています。
ちなみに煙草も駿河の国の名産品でしたよ。
座頭の意味由来【6番】
6番の「座頭」は、頭を剃った盲人の琵琶法師で、ハリ治療などをしていた人のことです。
「毛がない」ことから「怪我がない」とされ、縁起ものと言われたようです。
良く調べてみると、ひとつひとつに納得の理由がありましたね。
初夢には逆夢説もある?「四葬礼五雪隠」?
「誰かが亡くなる夢を見ると、その人は長生きする。」という言葉を聞いたことがありませんか?お葬式や雪隠(トイレ)など、一般的に悪いものの夢に見ると、反対に縁起が良いとされているのですね。
これだけそろっていれば、「わたしもひとつくらいは見れるかも?!」という気持ちになったのではありませんか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?今まで何気なく聞いていた「一富士、二鷹、三茄子」ですが、その続きがあり、その意味には納得の歴史があることがわかりましたね。
この言葉には、徳川幕府や駿河の国が大きく関係していることもわかりました。現代の私たちも、風水を使って…、おサイフを買い替えて…、パワースポットに行って…と、なんとかして「運気を上げよう!」と頑張っています。
江戸時代の人々も、同じように枕の下に七福神の紙を引き、初夢に今年の願いをのせていたのだなと思うと、なんだかほっこりした気持ちになりますね。
今年のお正月に始めてみる夢は、一体なんだろう?と少しワクワクしてしまいます。