名前にインパクトがあるので、意味が分からなくても聞き覚えがある人もいるのではないでしょうか。
しかし、実際に冬将軍はいつからいつまでと決まっているのか?意味や由来は?川柳や俳句などの季語で見た事があるけど詳しく分からない!って人は多いはずです。
ここでは「冬将軍」について紹介しています。
冬将軍はいつからいつまで?シベリア気団と同じか?
冬将軍の時期について調べてみても、10月の中旬から2月上旬・11月末から2月上旬・12月から2月と、その年によってもバラバラです。
ですがとにかくもっとも寒い時期ということは分かりますね。
その年の冬将軍がいつやってくるかをかなり前に予測することは不可能、カレンダーにも時期は書かれていません。
とはいえ、ある程度近くなれば現代の天気予報の精度の高さから予測することは可能となるでしょう。実はシベリア気団が冬将軍とイコールなのです。
西高東低の気圧配置となり、シベリア側の高気圧より日本へと寒気が吹き込んできます。その影響で、日本海側は雨や雪の天気が続き太平洋側は山脈で雨雲は止められるものの乾いた風が吹くのです。この乾いた風は木枯らしです。
いかにも冬の気候となった時、シベリア気団となっているのであり、冬将軍が居座っているのです。
冬将軍の始まりと終わりは一度ではありません。この時期ずっと雨や雪が降り続けるのでもなく、木枯らしが収まり過ごしやすい日もあるでしょう。そうかと思えば何日も寒い日が続いたり、冬将軍が1日で去っていくか数日に渡って居座ることとなるのか、それもまた直前の天気予報で予測するしかないのです。
冬将軍がやってくる前に、しっかりと寒さ対策をしておくことです。
冬将軍の意味や由来は?ロシア征服を試みたナポレオンが関係?
その由来はあの有名なナポレオン・ボナパルトが関係しています。次々とまわりの国々を攻め手中に収めていき皇帝の地位にまで上り詰めたナポレオン、しかしながらロシアを征服しようと戦った際に、敵軍というよりも厳しい寒さにやられて撤退を余儀なくされたのでした。
そのことを「小さなボニーの髭を剃る冬将軍」なんて言葉と共にイギリスの風刺画家が新聞に掲載しました。
あのナポレオンでさえロシアの寒さには勝てなかったというわけです。ここで使われた言葉が日本ではシベリア気団による寒さを表す意味へと変化したのです。
ちなみに、風刺画家の描いた風刺画では、冬将軍は上半身は氷を被った人の姿に・そして下半身は熊という化け物となっており「将軍」という言葉からイメージするものとは似ても似つかぬ姿です。
ロシアより吹いてくる低い気温と乾いた空気に日本人も毎年のように苦しめられていますが、実際にロシアに行って戦おうとしたナポレオンを襲った寒気はその比ではなかったでしょう。
どんどんと兵隊が披露していき、まさに化け物に襲われたかのようなダメージを受けたのです。 その戦いがあったのは1982年のこと、それから日本でこの言葉が広まるまでには更に時間を要するものの、昔から使われていた用語というわけです。
冬将軍は季語としても使われる?シベリア気団が来る時を表す際の季語?
この1語があるだけで、木枯らしが吹き荒れていたり雪が降り積もっていたり、そんな情景が伝わってきます。
真っ白な雪が積もり空気がピンと張りつめて、冬化粧・玄冬など美しい単語もありますが、綺麗な季語と言えば「冬帝(とうてい)」も素敵です。冬将軍と同じく冬を擬人化しているのです。
冬将軍の風刺画は化け物でしたが、帝など威厳高い存在としてのイメージの方が日本人にはしっくりくるかもしれません。
冬帝は神の例えとしても用いられております。何物をも真っ白に変えてしまう雪・凛とした寒さに日本人は気高いものを感じており、冬将軍という言葉も自然に受け入れることができたのでしょう。
四季のある日本ですが、この日から春・この日から夏という風にくっきりと区切ることはできません。春なのに冬のような寒さの日もあればまるで夏のように暑い日も、シベリア気団が来る時を表す際の季語として「冬将軍」は使われているのです。
春の兆しが見え始めた時期や、秋から冬にかけて移行していく時期を表現した俳句に季語として使用していると間違いです。冬将軍だから冬、と短絡的に考えるのではなくそれぞれの季語のちゃんとした意味を知っておきましょう。
まとめ
天気予報などで聞くこともある冬将軍、冬の凍てつく寒さを上手く表現した言葉です。
季語にもなっているものの実は海外でも通じるこの言葉、うまく使いこなせるようにするにはその意味や由来を知っておくことです。
まさかあのナポレオン・ボナパルトのロシアでの戦いが由来となっているとは、ご存じなく使用している方は多いでしょうからちょっとした豆知識を披露してみると大いに盛り上がるかもしれません。今年もまた冬将軍はやってきます。その前にぜひ防寒対策を心掛けましょう。