本来は直接持参するのが正式な礼儀ですが、最近は宅配などで送るのが一般的になっています。
宅配などで直接顔をあわせないでお中元を贈る場合は、必ず品物と一緒に「送り状(添え状)」を添えるのがマナーです。
いざお中元を宅配で送りたい機会に直面したときに慌てて失敗しないよう、お中元の送り状の書き方文例とともにご紹介します。
目次
送り状はいつ必要?
送り状は、基本的に宅配など直接顔を合わせずに品物を贈る場合には必ず同封するか郵送で送るのが礼儀です。送り状は、挨拶状とも呼ばれます。
送り状は、実際は親しい相手に対してお中元を直接持参する時に「送り状」をそえることはあまりありません。直接ご挨拶に行っている場合は、省略したからといって失礼にあたる、ということはありません。ただ、かしこまってご挨拶をきっちしりたい相手や、少しでも丁寧にする場合には、お中元の品物に送り状を添えて送ります。
送付する場合、お中元の品物とは別に手紙で送り状を郵送することもあります。
送り状の書き方の基本
送り状の基本的な書き方を例文をみながら解説していきます。
送り状の基本構成
送り状は、下記順番と内容で文章を構成します。
- 時候の挨拶
- 日ごろの感謝・ご無沙汰のお詫び
- 贈り物についてのコメント
- 末文の挨拶
これらの具体的な例文をいくつかご紹介します。
時候の挨拶
夏にふさわしい時候の挨拶を書きます。
- 暑さが厳しくなってまいりましたが、皆様お元気でいらっしゃいますか。
- 梅雨も明け、暑さの厳しい季節になってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
日ごろの感謝・ご無沙汰のお詫び
日頃の感謝の気持ちを込めたメッセージを書きましょう。なかなか直接合わなくなってしまった相手にはお詫びの文章を入れます。
- 日ごろより主人が大変お世話になりまして、心より御礼申し上げます。
- 日頃は、公私にわたり何かとお世話になり、妻ともども心よりお礼申し上げます。
- 平素はひとかたならぬご指導をいただき、誠にありがたく存じております
- すっかりご無沙汰してしまい、誠に申し訳なく存じます。
- 平素は何かとお世話になりながら、ついついご無沙汰してしまい、心よりお詫び申し上げます。
贈り物についてのコメント
贈り物をなぜ贈ったのか、どんなものを贈ったのかを明確に書きます。
- 本日は、心ばかりのお礼として、◯◯をお送りします。
- 本日心ばかりのお中元のしるしとして、◯◯を送らせていただきます。
- 本日心ばかりの夏のご挨拶として、◯◯を送らせていただきました。
末文の挨拶
最後に、相手を思いやる気持ちを表現します。
- 暑さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。
- お忙しい日々とは存じますが、お身体にご自愛ください。
- 今後とも変わらぬご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
【文例】あらたまった相手へ
拝啓
盛夏の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。また、いつも格別なご暑情を賜り、誠にありがたく感謝申し上げます。
さて、本日は心ばかりの夏のご挨拶として、私どもの地域の特産品であるゼリーを送らせていただきます。ささやかな品ではございますが、皆様でお召し上がりいただければ幸いです。
まだまだ未熟な私ではございますが、今後ともご指導の程、どうぞよろしくお願いいたします。
暑さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。
本来ならば、直接お伺いしてご挨拶申し上げるべきところ、誠に失礼とは存じますが、略儀ながら書中にて、お中元のご挨拶を申し上げます。
敬具
◯◯年◯月◯日
【文例】親しい相手へ
◯◯様
厳しい暑さが続きますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
久しくご無沙汰いたしまして、誠に申し訳ございません。
本日は心ばかりの夏のご挨拶として、私どもの地域の特産品であるフルーツを送らせていただきます。ささやかではございますが、皆様でお召し上がりいただければ幸いです。
皆様お忙しく充実した日々をお過ごしのことと存じますが、ご家族の皆様と賑やかな夏をお過ごしください。
まずは書中にて、ご挨拶まで。
◯◯(署名)
◯◯年◯月◯日
【文例】ビジネスの相手へ
謹啓
盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は、並々ならぬ弊社へのご厚誼を賜り、心より御礼申し上げます。
つきましては、日頃のご厚情ご鞭撻への感謝のしるしといたしまして、心ばかりのお中元の品を別便にてお送りいたしました。ご受納いただきますと幸いです。
貴社の更なるご発展ご繁栄を心よりお祈り申し上げますとともに、今後とも、引き続きご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
略儀ながら、書中をもちましてお中元のご挨拶とさせていただきます。
謹白
平成◯年◯月◯日
手紙に関するQ&A
メールやメッセージで送ってはだめ?
メールやメッセージでも、家族など親しい仲であればOKです。ビジネスやあらたまった相手の場合は、必ず手紙かハガキで送りましょう。
別便で送るのはマナー違反?
別便で送ってもOKです。その場合、お中元よりも前に届くように出します。
ハガキと手紙どちらが良い?
便箋で手紙として出すのが最も丁寧な書き方ですが、ハガキでも問題ありません。
まとめ
手紙だけでなく、マナーには絶対これという決まりがあるわけでありません。しきたりに厳しい人であれば、お中元は持参して手紙も添えるのが一番間違いないでしょう。
ただし、やりすぎも禁物ですので、相手との距離感にあわせて適度なマナーで気持ちの良いやりとりをしましょう。