新嘗祭とは、11月23日に毎年全国の神社で行われるお祭りのことです。新嘗祭の「新」は新穀を意味しており、「嘗」は御馳走を意味しています。
日本の古事記に登場する神様、天照大御神をはじめとした神々に対して新穀が実ったこととその感謝をするためにお供えをします。
目次
新嘗祭には参加出来る?出来ない?宮中祭祀は?全国の神社で行われる新嘗祭は?
宮中祭祀の場合は一般人は参加することができません。
ですが、全国の神社で行われる新嘗祭には参加することが可能です。
お供えする物は?食べ物?お酒?お金?
食べ物としては新米や麦に、栗、キビ、豆などの穀物です。それらをお供えして、感謝の気持ちを表します。
お供物にはお酒も必要です。白酒・黒酒と言って毎年新米から作られるお酒をお供えものにします。白酒は、名前の通り白く濁った色をしているお酒で、黒酒は、久佐木という植物を蒸留して作ったものに、灰を粉末にしたものを入れて、色を黒くしたお酒です。
全国の神社で行う新嘗祭には神社によってはご祈祷料というものを用意しなければならないので、その際にお金がかかります。
お金を用意するときに使う熨斗袋には、「御礼」「初穂料」などと記載をしてお金を入れます。初穂というのは、その年に初めて収穫されたお米のことをいいます。
新嘗祭に奉納されるお金は、今後1年間のお久米、お餅、節分の豆・お餅・お菓子、お供え物、おさがり、お神酒などに神社があてるようですね。
新嘗祭は葬儀の原点になった?
また、新嘗祭は、葬儀の原点になったという考えもあります。というのも生と死は表裏一体であるという考え方があるからです。日本には輪廻転生という言葉もありますが、生と死は絶えず繰り返されていくもの。
新しいものは古くなり、やがてまた新しいものが生まれるのです。そういったところから葬儀の原点が生まれたのかもしれません。
現世に降りてきた神々をもてなし、そして帰っていくのを見送るというのも、葬儀に似ているところがありますね。
新嘗祭の起源・由来は?
意味は、昔も今も変わらず、収穫を祝って感謝をするというものです。稲作を広めたとされる瓊瓊杵尊をはじめとした神々に感謝を伝えます。
宮中では明治以降に行われるようになりました。宮中祭祀のお祭りの中でも重要な位置に置かれているお祭りで、現在にも続いています。
また、宮中での新嘗祭のうち新天皇が即位して最初のものは大嘗祭と言います。大嘗祭との違いについては別記事でも紹介していますので興味があれば合わせてご覧ください。
「新嘗祭の歌」がある?
「昭和三十二年当時東宮でいらした今上陛下の歌」や「今上陛下御製」「昭和五十年、皇太子時代の今上陛下の歌」などで、どれも聞き馴染みのあるものではないかもしれません。
天皇と神々が対座して過ごすという重要な儀式なので、それにふさわしい歌でなければならないのです。
11月23日は勤労感謝の日ではなく新嘗祭を意識してみよう!
日本に古くからある、感謝やもてなしの文化にもつながっているものなので、そういった心持ちで過ごすだけでも良いものです。日本は自然災害の多い国でもあるので、穀物が無事に実ることはとても喜ばしく、感謝することだったのでしょう。
科学が発達した今でも、自然から得られる恩恵を忘れずに過ごすことも大切なことです。今後も実りが続くことを願って、日頃の感謝を忘れずしたいものですね。
新嘗祭についてもっと知りたい!って人は新嘗祭に関する書籍もたくさんあるので一読してみると面白いかもしれないですね!
まとめ
その日が何を祝う日で、どんな意味があるのかというのがわかると、11月23日を過ごす心持ちも少し変わるものですよね。
五穀豊穣を祝い、そして感謝を示す日です。宮中三殿で行われるものには一般人は参加できませんが、各地の神社などでもお祝いしているので、これを機に参加してみるのもいいかもしれません。
秋は実りの秋とも言いますし、食欲の秋とも言います。気候が落ち着いて、さまざまな食物が旬になる季節でもあります。今年も美味しい食事が食べられるということに感謝し、また来年もそうであるようにお祝いするという気持ちで過ごすのもいいかもしれませんね。