「締め切りは、○日の夕方まででお願いします。」そんな言葉を聞くと、思わず「具体的に何時?」と思ってしまいませんか?
日本語には「朝・昼・夜・日中・夕方・深夜・未明・夜明け」など、時間帯を示す言葉がたくさんあります。そのバリエーションは日本語の美しい部分ではありますが、はっきり時間がわからないとビジネスシーンでは困ることもあるでしょう。
ここではそんな時間帯を表す言葉が、何時から何時までをさしているのかについてご紹介します。繊細に言葉を使いわけ、スムーズなコミュニケーションを目指しましょう!
目次
気象庁による「時間帯を示す言葉」の時間の決め方を紹介【何時から何時まで?】
ですが天気予報などで使うならば、「何時から雨が降るのか?」とはっきり伝わらなければ困ってしまうでしょう。
気象庁ではこれらの言葉の示す時間の目安を、具体的に設定しています。
- 未明(みめい)…0~3時頃。
- 夜明け…日の出の少し前、空が明るみ始めた頃。
- 明け方…3∼6時頃。
- 早朝…夜明け後1~2時間のこと。地域で違うが、一般的には活動が始まる前の時間。
- 朝…6~9時頃。天気予報で「朝の最低気温は〇度」と表現する時は、0~9時のこと。
- 昼…示す時間が長すぎるので使いません。「昼頃・昼前・昼過ぎ」と、分けられる。
- 昼頃…11~13時頃。
- 昼前…9~12時まで。
- 昼過ぎ…12~15時頃。
- 日中…9時頃~18時頃。「明日の日中の最高気温」と表現する時は、9~18時のこと。
- 夕方…15~18時頃。
- 夜…18時~翌朝6時頃。示す時間が長いので、より具体的な言葉を推奨。
- 夜の始めの頃…18~21時頃。
- 夜遅く…21~24時頃。
- 朝晩…0~9時頃と18~24時頃。
- 朝夕…0~9時頃と15~18時頃。
- 午前中…一般的には0~12時。5時予報、11時予報の際は、正午までの時間をさす。
- 午後…一般的には12時~24時。気候の変動を伝える時は、より具体的な言葉を推奨。
気象庁では具体的な時間を示してくれているので、天気予報にあわせて対応がしやすいですね。
一般的に使っていても気象庁では使わない言葉もある
- 夜明け前/明け方前→明け方と同じ。
- 朝方→朝と同じ。
- 昼→「正午」と「昼間(明るい時間)」の2つの意味がある。後者では使わない。
- 夕刻/夕方前→夕方と同じ。
- 夕方過ぎ→夜の始めの頃と同じ。
- 晩→使わない。「夜」「夜の始めの頃」の2つの意味がある。
- 夜間→夜と同じ。
- 夜更けて→「夜遅く」など、具体的な言葉を選ぶ。
- 夜半/夜半頃→夜0時前後だが、現代ではあまり使われない言葉。
- 夜半過ぎ→「午前0時から午前2時頃まで」と表現。
- 一晩中→「夜通し」と表現。
気象庁では、示す範囲が具体的でないと使われないようです。
「時間帯を示す言葉」の辞書での時間の区切りを紹介【何時から何時まで?】
- 早朝…朝の早いうち。
- 未明…夜中すぎ。まだ明るくない時間帯。
- 夜明け…空が明るみ始める頃。
- 明け方…夜が明けようとしている頃。
- 朝…夜明けから正午まで、または夜明けからの数時間・しばらくの間。
- 昼…日の出から日の入りまでの明るい間。
- 日中…昼間、明るい時間帯のこと。
- 夕方…日が暮れる頃。
- 夜…日の入りから翌朝の日の出まで。暗い間。
- 夜中…夜のなかば。
- 深夜…夜更け、真夜中とほぼ同じ。
- 朝晩…朝と晩のこと。一日中をさすことも。
- 朝夕…朝と夕方のこと。朝と晩をさすことも。
時間帯を表す言葉は感覚で使っている方も多いので、こちらの方がなじみやすいかもしれません。
よく耳にする「深夜」とはいつのこと?【何時から何時まで?】
午前0時以降をさすことが多く、「金曜深夜1時」と言ったら、「土曜午前1時」のことを意味します。
ですが「深夜」も、実際には業界によって設定時間が違います。テレビやラジオでは、23時~翌朝5時の放送を「深夜番組・深夜放送」と呼びます。
また「深夜バイト」と呼ばれる夜中の業務は、労働基準法61条によって22時~翌朝5時を深夜業として定めています。
深夜手当として時給が上がるのも、この時間内の勤務です。
また地方自治体の青少年保護育成条例では、たとえば東京都ならば23時から翌朝4時までを深夜とし、青少年の外出を禁じています。
それぞれの項目によって定義がまちまちなのですね!
結論として「時間帯を示す言葉」は業界・個人のライフスタイルや価値観で変わる
気象庁は辞書よりもより具体的ですが、それでも「○時頃」などと広い時間帯をさしています。
実際には時間帯をさす言葉は、個人のライフスタイルや価値観に大きく左右されているようです。
たとえば4時を早朝と感じる人は多いかもしれませんが、夜型の人にとっては6~7時も早朝と感じます。旅館などでは6~9時に朝ご飯がありますが、ファミレスなどでは10時までモーニングが食べられます。
業界・ライフスタイル・価値観などによって意味が違うので、柔軟に対応できると良いでしょう。
まとめ
「早朝・朝・昼・日中・夕方・夜・深夜・未明・夜明け」など時間帯をさす言葉が、何時から何時までなのかについてをご紹介しました。
これらの言葉には厳密な決まりはなく、業界や個人の感覚が大きく影響しているということがわかりました。
お仕事などの正確さが問われる場面では、より具体的な時間を提示できると良いでしょう。時間帯を表す言葉のバリエーションはとても多く、日本語の繊細さがよく現れているように感じます。
臨機応変に活用して、スムーズなやり取りを心がけましょう!