このような方でも知名度が低いのが「十六団子」。この団子の名前を初めて聞く人もいると思います。
そんな「十六団子」についてその意味や由来、十六団子の日や行事等についてご紹介していきます。
目次
十六団子って?意味は?なぜ16個?盛り付け方は?
十六団子は米粉やもしくは上新粉に砂糖を加えて小さく丸めたおだんごを全部で16個分作っててお供えをしてから頂きます。
現代ではお供えを無理にしなければいけないというわけではありませんが、基本的にはお供えをするというというのは当たり前だったという点は覚えておくとよいでしょう。
なぜ16個なのか?
そもそも「16」という数は和菓子と密接なつながりがあり、 仁明天皇の平安時代に疫病で多くの人が亡くなった際に848年6月16日に健康植福と厄除けを祈願して16の菓子や餅を神様にお供えした天皇による儀式をきっかけに、無言で16個のお餅を食べて無病息災を祈願するならわしが誕生しました。
そして、時代を重ねる中で16文分のお菓子を買って笑わずに完食すれば病気知らずという風習に変わっていき、「16」という数字と和菓子は縁起のよい相性として定着して今の「十六団子」に至っていると言われています。
盛り付け方が決まっている?盛り付ける順序は?
十六団子を盛り付ける際には下から順に9個、4個、2個、1個の数できれいなピラミッド型にします。盛り付け方にもルールがあるのです。
ちなみにお供えしたら、みたらし団子やあんみつ、焼きだんごやおしること自由に楽しみながら食べられるおだんごです。
十六団子の由来は?農耕の神様へのお知らせ?
これまで十六団子をすでに知っていたり実際に何度も食べた経験があるという方でも、その由来となると知っている方はかなり少ないといわれています。
山の神様のお越しを農耕の神様にお知らせする?
そして、稲作をスタートする毎年3月16日になると神様が山から田んぼに下りてきて、稲刈りの作業が終了する11月16日になると山へとお戻りになると言われていました。
ちなみに、これは地域によっては10月16日にあたります。 そのため、当時の人々は農耕の神様に山の神様のお越しとお戻りを伝えなければいけないと考え、3月と11月の16日には臼と杵を用いてお餅をついて出る音によって農耕の神様へお知らするようになったのです。
そして、この時にできたお餅を丸めて小さな16個のおだんごにしてお供えするようになりました。
この団子が、「十六団子」になったわけです。
十六団子の日がある?いつ?3月と6月の16日?
そこで「十六団子の日みたいな記念日はあるのか?」という疑問を頭に浮かべる方もいらっしゃいますが、結論から言うと、「十六団子の日」は、あります。
これは今でも変わることなく、十六団子が持っているその歴史として特別な日にあたる毎年の3月16日と6月16日の2日間です。
かなり昔の話ということで今ではほとんど忘れられていると思われるかもしれませんが、実際には今日でも特に東北地方の一部の地域などでこの3月16日と6月16日がやってきたら必ずお仏壇などに十六団子を用意してお供えし、五穀豊穣や無病息災を祈願するという習わしが残っています。
その場合、地元の方々は「田の神様」とか「山の神様」という表現をしながら日々の健康に感謝し、これからの健康や多幸を祈って過ごします。
ちなみに、うるう年の場合には1年間の日数が異なりますが、それでもこの十六団子の日は変わりません。
十六団子の行事は?何する?
まずは臼と杵を用いてついてできたお餅を使って合計で16個のおだんごを作ることから始まります。
そして、このおだんごを枡に入れて神様にお供えする慣わしがあり、こうしてお供えしたおだんごが「十六団子」と呼ばれます。
お供えをする日には山の方から神がいらっしゃるので天候が悪くなるとも言われ、これを「田の神荒れ」と表現して神様に会わないように山や田んぼには行かないようにする地域もあります。
具体的にはえびす様や大黒様をお祀りする場所に供えられたり、行事食として食べるという家庭もあります。
現代では片栗粉や米粉を使って作る家庭がほとんどです。山と里を神様が往復する日はこの十六団子の作り方、お供える場所等は地域によって若干異なります。
まとめ
この十六団子は農事の神様に感謝するというだけでなく、農家の方々への感謝の気持ちを大切にする日としても意味があると言えます。
お米をおいしく頂けることに感謝する日として受け継いでいきたい日とも言えるでしょう。