しかし春と夏の間にある梅雨(つゆ)は、長雨が続きうっとうしく感じる期間ですね。
梅雨はいつからいつまでなのか?平均はいつ頃なのか?またどうやって決まるのか?誰が決めるのか?

私たちになじみのある梅雨(つゆ)について、おさらいしてみましょう。
目次
梅雨とは?意味は?
沖縄や九州地方から梅雨入りが始まり、梅雨入りが発表される日は一般的に南の方が早く、日本列島を北上するほど遅くなる傾向があります。
これは晩春から夏頃にかけて、日本列島付近に梅雨前線が停滞するためです。梅雨前線ができるメカニズムは、オホーツク海高気圧と太平洋高気圧が張り出し、その間に気圧の谷ができるからです。
次第に太平洋高気圧の勢力が強くなると梅雨前線が北上していき、日本は南から徐々に梅雨が明けていきます。

暖かい地域から寒い地域へ梅雨が移動する感じですね!
全国の梅雨入りと梅雨明けはいつ頃?【いつからいつまで】沖縄・九州・四国・近畿・関東甲信・東北・北海道


以下では沖縄から東北(沖縄・九州・四国・近畿・関東甲信・東北・北海道)までの梅雨入りと梅雨明けがいつ頃なのかを紹介します。
沖縄の梅雨入りと梅雨明けはいつ頃?【いつからいつまで】

過去の気象庁のデータを見てみると、最も早い梅雨入りは1980年の4月20日頃、最も遅い梅雨明けは2019年7月10日頃になっています。
九州地方の梅雨入りと梅雨明けはいつ頃?【いつからいつまで】
しかし、気象庁のデータを見ると、九州地方は南部と北部では梅雨入り、梅雨明けの時期にずれがあります。

また九州地方北部の平均的な梅雨入りは6月4日頃、梅雨明けは7月19日頃とされています。九州地方でも南部と北部ではそれぞれ5日ほどのずれがあります。
四国地方の梅雨入りと梅雨明けはいつ頃?【いつからいつまで】

過去の気象庁のデータを見てみると、最も早い梅雨入りは2021年の5月12日頃、最も遅い梅雨明けは1954年の8月2日頃になっています。
近畿地方の梅雨入りと梅雨明けはいつ頃?【いつからいつまで】

しかし過去の気象庁のデータを見てみると、最も早い梅雨入りは1956年と2011年の5月22日頃、最も遅い梅雨明けは2009年の8月3日頃になっています。
関東甲信地方の梅雨入りと梅雨明けはいつ頃?【いつからいつまで】

しかし過去の気象庁のデータを見てみると、最も早い梅雨入りは1963年の5月6日頃、最も遅い梅雨明けは1982年の8月4日頃になっています。
東北地方の梅雨入りと梅雨明けはいつ頃?【いつからいつまで】
しかし、気象庁のデータを見ると、東北地方の南部と北部では梅雨入り、梅雨明けの時期にずれがあります。

東北地方北部の平均的な梅雨入りは6月15日頃、梅雨明けは7月28日頃とされています。東北地方でも南部と北部では3日ほどのずれが生じています。
北海道の梅雨入りと梅雨明けはいつ頃?【いつからいつまで】
北海道って梅雨ないの?って人は別記事で紹介しているので合わせてご覧ください。
2023年の梅雨入りと梅雨明けはいつ頃?【沖縄・九州・四国・近畿・関東甲信・東北・北海道】
2023年の梅雨入りは?【沖縄・九州・四国・近畿・関東甲信・東北・北海道】
地方 | 2023年(令和5年) | 平年 | 昨年 |
---|---|---|---|
沖縄 | 5月18日ごろ | 5月10日ごろ | 5月4日ごろ |
奄美 | 5月18日ごろ | 5月12日ごろ | 5月5日ごろ |
九州南部 | 5月30日ごろ | 5月30日ごろ | 6月10日ごろ |
九州北部 | 5月29日ごろ | 6月4日ごろ | 6月11日ごろ |
四国 | 5月29日ごろ | 6月5日ごろ | 6月11日ごろ |
中国 | 5月29日ごろ | 6月6日ごろ | 6月11日ごろ |
近畿 | 5月29日ごろ | 6月6日ごろ | 6月14日ごろ |
東海 | 5月29日ごろ | 6月6日ごろ | 6月14日ごろ |
関東甲信 | 6月8日ごろ | 6月7日ごろ | 6月6日ごろ |
北陸 | 6月11日ごろ | 6月11日ごろ | 6月6日ごろ |
東北南部 | 6月11日ごろ | 6月12日ごろ | 6月6日ごろ |
東北北部 | 6月11日ごろ | 6月15日ごろ | 6月6日ごろ |
2023年の梅雨明けは?【沖縄・九州・四国・近畿・関東甲信・東北・北海道】
地方 | 2023年(令和5年) | 平年 | 昨年 |
---|---|---|---|
沖縄 | – | 6月21日ごろ | 6月20日ごろ |
奄美 | – | 6月29日ごろ | 6月22日ごろ |
九州南部 | – | 7月15日ごろ | 7月22日ごろ |
九州北部 | – | 7月19日ごろ | 7月22日ごろ |
四国 | – | 7月17日ごろ | 7月22日ごろ |
中国 | – | 7月19日ごろ | 7月26日ごろ |
近畿 | – | 7月19日ごろ | 7月23日ごろ |
東海 | – | 7月19日ごろ | 7月23日ごろ |
関東甲信 | – | 7月19日ごろ | 7月23日ごろ |
北陸 | – | 7月23日ごろ | – |
東北南部 | – | 7月24日ごろ | – |
東北北部 | – | 7月28日ごろ | – |
梅雨入り・梅雨明けはどのように決まる?誰が決める?

最近では大雨による災害が発生することが増え、身を守る観点からも梅雨入りや梅雨明けの発表は気になるところです。
しかし、梅雨入りや梅雨明けは簡単そうに見えてとても難しい判断になります。
梅雨入りや梅雨明けは気象庁が発表していますが、気象庁でもその判断は難しいのです。
梅雨入りや梅雨明けに明確な定義はなく、空の様子を見ての判断になります。

何かの数値などで判断するのなら断定と言えるのですが、空の様子や雨が2日続くなどで判断されたりとするのは始めて知る人には驚きなのでは?
「梅雨入り」と「梅雨明け」は判断はあいまいさがある?
晴天の後に2日ほど雨が続き次の日も雨だった場合に「梅雨入りしたとみられる日」と判断され、その後2日程度雨が続くと予想されたら「梅雨入りしたとみられる」と発表します。
梅雨明けも同様で、雨や曇りが続いた後に晴れた日があり、梅雨前線が北上してその後も2日ほど晴れの日が続くと予想されたら「梅雨明け」と判断されます。
言葉にも注目してみてください。「~とみられる」というようにやんわりとした表現が用いられていることから、梅雨入りや梅雨明けを断定する難しさが表れています。

梅雨入りや梅雨明けの発表は暫定的なもので、後日変更されたり発表が取り消されたりすることもあるんですよ。数値では判断できないのは本当にあやふやで難しいですよね。
まとめ
毎年やってくる梅雨は正直うっとうしい時期ですが、日本で暮らす私たちにとって適度な雨量の梅雨は欠かせないものです。
梅雨入りの発表は日常生活を送るうえで気になるものですが、気象を専門にしている気象庁でも梅雨入りの判断が難しいとは驚きました。
梅雨は自然がもたらす気象現象だけに、昨今の地球温暖化による影響もとても気になります。長雨が続きますが「災難の雨」ではなく「恵みの雨」であることを願うばかりです。
ちなみにこの梅雨は江戸時代以前は「五月雨(さみだれ)」と呼ばれていました。「五月雨」については別記事でも紹介しているので興味があれば合わせてご覧ください。