家を買うなどの大きな決断をするとき、ふと「この日の縁起はどうだろうか?」と、気になることもあると思います。
中でも、土地に関する行動をとる時に気をけたい暦は、「土用」や「三隣亡」などが有名ですが、では、「五墓日」はいかがでしょうか?
あまり知られていないのですが、これも土地に関する暦のひとつです。
墓という字が入っているところを見ると、「悪い意味なのだろうなあ…。」と察しはついてしまいますよね。
ここでは五墓日について調べてみたいと思います。
目次
「五墓日」の意味由来は?
あまり知られていないので、聞いたことがない人も多いかもしれません。五墓日は、暦の下の方に書いてある占い、その名も「暦注下段(れきちゅうげだん)」のひとつです。
ご想像通り、「五行の墓、5つの墓」という意味があり、凶日に分類されます。もともとは、古く中国の陰陽五行思想から始まっており、年や日付の干支と、五行(木、火、水、土、金)の性質から考えられたものです。
この日は、お墓を始め、土を動かす作業全般が凶と言われており、この日に葬儀をすると、さらに5つの墓が並ぶ(5人が命を落とす。)とも言われる、縁起の悪い日です。
その影響は家族だけでなく、友人など周囲の人までも巻き込む可能性もあるというほどなので、気を付けたい日取りなのです。
「五墓日」の決め方は?陰陽五行説と干支・音韻理論によって決まる?
五行は「木、火、水、土、金」で、すべてのものがこの5つの性質に割り振られると考えられています。年は、甲子(きのえね)・丙午(ひのえうま)などのように「十干十二支(じっかんじゅうにし)」で表されます。これは全部で60パターンありますが、その2つずつに、納音という性質が振り当てられています。
納音とは、中国の音楽を作る5音階、6音調のことで、5×6で30パターンあります。年に振り分けられた納音にも、それぞれ五行の性質があるので、生まれた年ごとに、「木、火、水、土、金」のどれかの性質を持つということになります。
その性質ごとに、特定の干支の日が五墓日となる、というわけなのです。
干支の「丑、辰、未、戌」は五行の土性のもので、それに納音の5個の性質を付け足した日が選ばれているようですが、ちょっとむずかしいお話でしたね。
つまりは、生まれ年ごとに五墓日が違うということなのです。
生まれ年の性質ごとの五墓日
- 木性の人…乙未(きのとひつじ)の日
- 火性の人…丙戌(ひのえいぬ)の日
- 水性の人…壬辰(みずのえたつ)の日
- 土性の人…戊辰(つちのえたつ)の日
- 金性の人…辛丑(かのとうし)の日
2024年「五墓日」はいつ?
まずは自分の生まれ年が、五行のどの性質なのかをチェックするのを忘れずに。
木性の人の五墓日【2024年】
- 1月2日 先勝
- 3月2日 仏滅
- 5月1日 先勝
- 6月30日 大安
- 8月29日 友引
- 10月28日 仏滅
- 12月27日 先勝
火性の人の五墓日【2024年】
- 1月23日 赤口
- 3月23日 先負
- 5月22日 赤口
- 7月21日 先負
- 9月19日 赤口
- 11月18日 先負
水性の人の五墓日【2024年】
- 1月29日 赤口
- 3月29日 先負
- 5月28日 赤口
- 7月27日 先負
- 9月25日 赤口
- 11月24日 先負
土性の人の五墓日【2024年】
- 1月5日 仏滅
- 3月5日 先勝
- 5月4日 仏滅
- 7月3日 友引
- 9月1日 大安
- 10月31日 先勝
- 12月30日 仏滅
金性の人の五墓日【2024年】
- 1月8日 先勝
- 3月8日 仏滅
- 5月7日 先勝
- 7月6日 赤口
- 9月4日 先負
- 11月3日 赤口
日付の干支は60パターンなので、大体60日に1回、年に5~6日程度めぐってきます。
土地に絡む大きなイベントは少ないですから、避けやすいかもしれませんね。
「五墓日」するといい事&してはいけない事は?【契約・結婚・宝くじ購入は?】
葬儀【特にしないほうがよい】
特に葬儀が不向きです。葬儀では、最後に土の中へ埋葬することとなるので良くありません。無視をすると、「お墓を5つ並べる(さらに5人が死んでしまう。)」という意味になるので、注意が必要です。
お墓の建立も不向きでしょう。
種まき・田畑いじり・旅行【しないほうがよい】
土地に関わる祈祷や地固め、種まきなどで田畑をいじること、旅行なども向いていないと言えるでしょう。
土地類の契約・開店・引っ越し【しないほうがよい】
一般的な契約などには影響がありませんが、土地や家屋の契約や作業、お店を開くなどは控えましょう。
引っ越しも、一軒家などで土地に関わるのであればおすすめしません。
土地と関係なければ差し支えない【結婚・納車・宝くじ購入など】
反対に、土地と関係がなければ差し支えがありません。
家の建物部分を作ること、縁起を気にする結婚式や納車、宝くじの購入にも、特に悪い影響はありません。
まとめ
いかがでしたか?暦注下段のひとつ、五墓日がどんな日か、おわかりいただけましたか?
葬儀や土にまつわることだけは注意しておきたい、縁起の悪い日でしたね。
五墓日はあまり知られていないので、なにかを計画した後に「しまった、五墓日だった!」と気づいて、あせってしまうこともあるかもしれません。意味を知ると怖いかもしれませんが、歴注下段は、暦の他の占いと違って、一般的には根拠のないものと言われています。
迷信だから信じないという人も多いので、「できれば気をつけよう。」と思うくらいにとどめて、気にしすぎないでくださいね!