入試や就職などの時に、「神様の力をお借りしたい!」と神社に行くことがありますよね。お墓参りなどにも定期的に行きますし、日本人と神事は切り離せないのだと思います。
暦には、いろいろな占いのようなものが載っており、その中には、そんな神事に適した日というのがあるのをご存じでしょうか?暦の下の方にある暦注下段のひとつ、「神吉日」がそれにあたります。

神吉日と言う名前からして、さも縁起の良さそうな日ですが、どんな特徴のある暦なのか、チェックしてみましょう!
目次
「神吉日」の読み方や意味由来は?
神吉日は、神様の御神徳(ごしんとく=めぐみ、ごりやく)を授かりやすく、神事に良いとされる日で、歴注下段の「七箇の善日(ななこのぜんにち)」という吉日のひとつです。
神社への参拝やご先祖を祀る催事に、最適とされています。
日本の歴史の中で生まれた
暦は中国から伝来したものが多いですが、こちらは日本の歴史の中で生まれたものです。
13世紀の百科事典のような書物、「拾芥抄(しゅうがいしょう)」には、すでに記載があったと言われています。
暦注の中でも回数が多く1年の半分以上は神吉日
神吉日は、暦注の中でも圧倒的に回数が多く、1年の半分以上が神吉日です。この理由ははっきりしていませんが、もともとは「神上吉日、神中吉日、神下吉日」の3種類であったが、1685年の「貞享暦(じょうきょうれき)」以降、ひとつにまとめたために、増えてしまったとも言われています。

吉日は、いくら多くても構いませんよね。
「神吉日」はいつ?2023年は?
暦では、十二支と、「庚(かのえ)、丙(ひのえ)」などの10個の文字(十干)を組み合わせて毎日の日付を表す、十干十二支という考え方があり、「丙午(ひのえうま)」などと表記されます。

この組み合わせは60種類あり、その内のなんと33種類が神吉日とされています。つまり、1年の半分以上が神吉日というわけです。
神吉日となる十干十二支
- 乙丑
- 丁卯
- 己巳
- 庚午
- 壬申
- 癸酉
- 丁丑
- 己卯
- 壬午
- 甲申
- 乙酉
- 戊子
- 辛卯
- 甲午
- 丙申
- 丁酉
- 己亥
- 庚子
- 辛丑
- 癸卯
- 乙巳
- 丙午
- 丁未
- 戊申
- 己酉
- 辛亥
- 壬子
- 乙卯
- 戊午
- 己未
- 庚申
- 辛酉
- 癸亥
2023年の神吉日の日程
- 1月…1、2、3、5、7、9、11、12、14、15、19、
21、24、26、27、30日 - 2月…2、5、7、8、10、11、12、14、16、17、18、19、
20、22、23、26日 - 3月…1、2、3、4、6、8、10、12、13、15、16、
20、22、25、27、28、31日 - 4月…3、6、8、9、11、12、13、15、17、18、19
20、21、23、24、27、30日 - 5月…1、2、3、5、7、9、11、12、14、15、19、
21、24、26、27、30日 - 6月…2、5、7、8、10、11、12、14、16、17、18、19、
20、22、23、26、29、30日 - 7月…1、2、4、6、8、10、11、13、14、18、
20、23、25、26、29日 - 8月…1、4、6、7、9、10、11、13、15、16、17、18、19、
21、22、25、28、29、30、31日 - 9月…2、4、6、8、9、11、12、16、18、
21、23、24、27、30日 - 10月…3、5、6、8、9、10、12、14、15、16、17、18、
20、21、24、27、28、29、30日 - 11月…1、3、5、7、8、10、11、15、17、
20、22、23、26、29日 - 12月…2、4、5、7、8、9、11、13、14、15、16、17、19、
20、23、26、27、28、29、31日
こんなに神様の恩恵を受かられるならば、安心ですよね。
ですが神吉日は、認知度が低いからか、暦によっては全てが記載されていないことがあります。また、他の悪日と重なった日は記載しないなど、あいまいな部分もあるようです。

そもそも回数が多いので、そこまで問題ではないかもしれませんね。
「神吉日」にするといい事としてはいけない事は?入籍や宝くじ購入は?
するといい事は?
神様の御神徳をたまわりやすい神吉日は、もちろん神社への参拝や、ご先祖様を祀る催事などの神事に最適です。
日数が多いので、家族で集まるお墓参りなどの計画も立てやすいでしょう。さまざまな祈願や、遷宮(せんぐう=改修などのために神座を移すこと。)などにも向いています。
他の吉日とセットにすると効果が増す?入籍や宝くじ購入も?
神吉日は神様の御神徳を受けやすいので、他の吉日とセットにすると、その効果が増します。
結婚式や入籍ならば「天赦日」、「母倉日」など、引っ越しならば「大明日」など、宝くじの購入ならば「大安」や「一粒万倍日」などと重なっている日を選ぶと、さらに縁起が良くなるでしょう。
吉日については別記事でも紹介しているのでよかったらあわせてご覧ください。
しないほうがよい事・してはいけない事
神吉日は不浄となることをしてはいけません。
お金や葬儀という意味ではなく、心身を汚すようなよこしまな行動を控えると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?暦注下段のひとつ、神吉日がどんな日か、おわかりいただけましたか?
神様のお恵みのいただけるありがたい日で、1年の半分以上を占めるという、とても頼もしい吉日でした。神吉日は日本で生まれた暦です。日本の神様は、こんなにも毎日私たちのことを守ってくれているのだなと思うと、なんだか幸せな気持ちになりませんか?こんな暦を作ろうと思った、昔の日本人の考え方も、とってもすてきだと感じます。
暦を気にしすぎる必要はありませんが、少し安心して生きられるのではないでしょうか?