ボリュームのある夏休みに埋もれて、比較的見落とされがちな国民の祝日ですよね。
さて、あらためて考えると海の日って何なのでしょう?そう聞かれて答えられる人は、意外と少ないのではないでしょうか?
「う…海開きする日?」そのくらい絞り出すのがやっとです。海の日は1995年にできた比較的新しい祝日です。1948年にできた元旦や春分の日と比べて歴史が浅く、なじみは薄いかもしれませんが、それにしてもなぜ日付も覚えられないのでしょうか。

お子さんに「なんでお休みなの?」と聞かれても困らないように、海の日について少し理解を深めてみましょう。
目次
海の日はいつ?2024年は?
海の日は、毎年7月の第3月曜日とだけ決まっています。日付としては決まっていないのです。
なぜこの日程が海の日なのかというと、それは「夏休みを一日ふやすため…?」ではありません。古くは1876年、明治天皇が明治丸という船で北海道と東北をめぐる巡航を行いました。
その船が無事に横浜に寄港したのが7月20日だったと言われています。後の1995年、海の恩恵に感謝する日として国民の祝日を制定した時に、その縁起の良い記念日を選んだというわけなのです。
その後、2003年にハッピーマンデー制度により7月の第3週の月曜日と変更されたのです。

少し覚えにくくなってしまいましたが、連休になるのでありがたいですよね。
2024年の海の日はいつ?
7月の第3月曜日になるので当然ですね。土日が休みで祝日も休みになる学校や職場は3連休です。

ちょっとしたプチ夏休みですね!
海の日の意味由来は?
出典:いらすとや
みなさんご存じの通り、全ての生命は海のふところから生まれています。
また日本は四方を海で囲まれた島国です。各地方では、その土地土地の海産物が育ち、私達はその豊かな恵みを好きな時にいただくことができます。近年では、ウォーターフロントのマリンレジャーが盛んになり、日本の発展に海の存在はかかせないものなのです。
そんな海に感謝する日を祝日化する声が国民から高まり、当時、明治天皇の無事を祝った「海の日記念日」だった7月20日を、国民の祝日とし、海の日としたわけなのです。

海の日を国民の祝日としているのは、日本だけ。私たちの国、日本には、いかに深く海が結びついてきたのかをうかがうことができますよね。
海の日を簡単に子供に分かりやすく説明すると?
「実は明治天皇がね…。」と言ってみたところで、キョトンとされるのは目に見えています。
海の日を子供達にわかりやすく伝える時には、生活の中にある「海」を気づかせてあげましょう。
海水浴や釣り、水族館などに行って楽しかった思い出を話すのも良いでしょう。海洋図鑑などを見て子供の大好きなクジラやサメ、イルカやヒトデさんも、みんな海で生まれて海で暮らしているんだよと教えてあげましょう。
私たちが毎日食べているお魚さんや、みそ汁に入っているわかめ、それを全部くれているのは海。だから海の日は、「海にありがとう」って思おうね。海の日はそんな日だよ!と伝えてあげるのはいかがでしょうか。

幼いお子さんならば、海を好きになって親しみを持つだけで、十分だと思いますよ。
海の日はなぜ変わった?7月20日から7月の第3月曜日に?
ですが2003年に祝日法が改定され、7月の第3月曜日に変更となったのです。
それには、2000年から推し進められていたハッピーマンデー制度が関係しています。
その頃、多くの企業や公務員の方は、週休2日で働くようになっていました。そこで国民の祝日の内、何日かを月曜日と定めることで三連休を作り、国民に楽しく休みを取ってもらおうというのがきっかけです。
この制度で変更された国民の祝日は海の日、成人の日、敬老の日、体育の日(現在はスポーツの日)などです。
連休ができることで国民の消費が増え、経済効果もあると言われています。

国民の休日は、時節を選んで制定されているものも多いです。本来の意味を忘れてしまわないように、なお一層理解したいところですね。
まとめ
海の日がどんな日か、少しご理解いただけたでしょうか。
「やったー、三連休だー。」と、ただお休みの日だと喜んでいた人には、実はこんなに豊かな背景のある祝日だったと驚きなのでは?
海は、多くの海産物を私たちの食卓に運んでくれます。外国の製品を自由に生活で使えるのも、海の貿易のおかげ。日本の臨海エリアが世界に誇る魅力は、日本人なら自慢に思うはずです。
私たちが産まれ発展したことには、海の恩恵がとても大きいのです。海の日について考えてみると、私たちは海に感謝することを忘れてはいけないなと感じますよね。
最近よく話題になる海洋プラスチックごみ問題などは、世情に詳しくない人でも、なにか簡単にアクションを起こせるテーマだと思います。
海の日には、お休みを楽しみながら、少しだけでもそんなことに思いをはせてみてもいいかもしれませんね。