「鬼は外、福は内!」と言いながら豆をまくのは子供にとっては楽しいイベントですが、世界的に見ても珍しい風習のようです。
豆まきについて、詳しく見ていきましょう。
豆まきの正しいやり方や意味由来については別記事で紹介しているので興味があれば合わせてご覧ください。
以下は豆まきするのは日本だけか?落花生を使うのはなぜか?その地域は?さらに一人暮らしの豆まきについても紹介しています。
目次
豆まきをするのは日本だけ?海外にはないの?
しかし、外国の方からすると、豆まきはとても珍しいものだと言います。つまりその風習はありません。
トルコやエジプト、イギリス、スペインなどに厄除けのような風習はありますが、豆をまくといったものではありません。
驚くことに、豆まきは日本独自の風習なのです。
豆まきの由来は、中国の「大儺(たいな)」という、大晦日の夜に行われていた祈祷師による厄除け行事だと言われています。「大儺」が日本に伝わり、大晦日の夜に年中の疫病を追い払う「追儺(ついな)」という宮中行事として根付きました。
一方、平安時代の節分は、災害除けと延命・長寿を目的とした読経が行われ、今のように邪悪・邪鬼を退散するためのものではありませんでした。
現在のように、節分に豆をまく風習は南北朝時代ごろだと言われています。病疫を追い払う大晦日の「追儺」の風習が節分に入り込み、「鬼は外、福は内」と唱えながら豆まきをすることは、民間にも広がりました。
このように、中国から伝わった大晦日の厄除けの風習が時代を経て、節分の豆まきへと変化。豆まきは長い歴史がある日本独自の風習なのです。
豆まきに大豆をまくのはなぜ?
しかし、古来の日本では、米・麦・粟・炭なども使われていましたが、中国の医書 『神農本草』に、大豆が「鬼毒」を消して痛みを止めると書かれていたため、豆まきには大豆が主に使われるようになったと言われています。
大豆は厄落としをはじめ、疫病、風邪、疱瘡、麻疹、百日咳、はやり目、物もらい、歯痛などの病除けのまじないにも多く使用されてきたようです。
大豆が五穀の中でも手頃な存在だったことも関係しているかもしれません。
落花生をまく地域もある?理由は?
それは、北海道や東北地方、新潟県、長野県、宮崎県、鹿児島県。これらの地域では落花生をまくのが主流で、大豆は少数派です。
ところ変われば地域性が現れるところが面白いですね。
大豆ではなく落花生をまく理由は大きく2つ?
①雪によって大豆の片付けが大変?
積雪にまいた大豆が埋もれて後片付けが大変という、北海道ならではの苦労があり、北海道で収穫される「殻付き落花生」を使えばいいのではないか、というアイデアが生まれました。
北海道の風土にあった工夫とは言え、同じような悩みを持つ豪雪地帯や、落花生の産地にも受け入れられてその地域に広がりました。
②室内の後片付けが楽?
また、大豆は小さくて潰れやすく、豆まきをした後に片付けるのに手間がかかります。室内で豆まきをしたら、家具のすき間に入って拾うのに苦労したという経験をされた方も多いと思います。
一方、落花生は殻に包まれているので大きくて目立ち、拾いやすくて後片付けが楽です。殻に包まれているので、拾った後に中身を食べても衛生的という点も食べものを無駄にすることもありません。
大豆に比べて落花生をまくのはとてもメリットがあると言えます。
今では、大豆をまく地域でも、スーパーなどでは殻付き落花生が一緒に売られています。
後片付けしやすいという利便性から、落花生を選ぶご家庭も増えています。将来的には落花生をまく地域が広がっていくかもしれませんね。
一人暮らしで豆まきをするには?ポイントや方法は?
しかし、節分に豆をまくのは、邪気を払い、無業息災を願うという意味合いがある日本独自の風習なので、どうしても豆まきをしておきたい!って人も多いのです。
そこで、一人暮らしで豆まきをするポイントをお伝えします。欠かせないのは周囲への配慮です。
一人暮らしの方はアパートやマンションなど、お隣さんが近い居住環境だと思います。まいた豆がお隣さんのベランダや庭に入らないよう、また駐車場に止めてある車などに当たらないようにするなどの配慮が欠かせません。
室内で豆まきをすればこのようなトラブルを避けられるのでおすすめです。
また、鬼に向けて豆を投げますが、一人暮らしの方は壁に鬼のお面を貼ってそこに投げたり、鬼がいるイメージで投げたりなどの工夫をすれば、一人でも豆まきを楽しむことができます。
後片付けを楽にするために、殻付き落花生や大豆が入った小袋を使うのもひとつの手。一人暮らしでも、節分の雰囲気をぜひ楽しんでみてください。
まとめ
1月の華やかなお正月が終わり、次にやってくる季節の行事である節分はやや地味な雰囲気があるような気がしている人も多いのでは?
しかし、豆まきが日本独自の風習だと知ると、受け継いでいこうという気持ちになりますよね。「鬼は外、福は内」と言いながら、元気よく大豆や落花生をまいて無病息災を願いたいですね。