「この難しい字の日は何の日?」と思ったことがある人はいませんか?ご存じの方は少ないのではないかと思います。
「選日」の1つである「蠟日」は毎年違う日程です。意味由来もあり、適した過ごし方などがあるものです。
今回は、この難しい名前の「蠟日」について調べてみましょう。
目次
「蠟日」の読み方は「ろうにち」?「ろうじつ」?どちらも正解?
この難しい字は「ろうにち」とも読みますし、「ろうじつ」とも読みます。
どちらも正解になります。
「ろうにち」と読む人もいれば、「ろうじつ」と読む人もいます。
「蠟日(ろうにち)」は「選日」の1つ?六曜や七曜ではない?
大安や仏滅などはあまりにも有名で、現代でも結婚式などの大きなイベントの日には気にする人も多いです。
年末には、一白水星、九紫火星などの九星の占いの本も手に取ることがあると思います。では、「蠟日」はどうでしょう?
どちらにも属しません。
暦には、「歴注」というその日の吉凶を記した、占いのようなものが載っています。大安・仏滅などの「六曜(ろくよう)」や一白水星などの「九星」、日月火水木金土のもととなっている「七曜(しちよう)」など、さまざまなカテゴリーがありますが、そのどこにも入らないものは、「選日(せんじつ)」と呼ばれてまとめられています。
「蠟日」は、その「選日」のひとつなのです。
暦のカテゴリーのどこにも当てはまらない「選日」。「臘日」はその「選日」の1つです。
「臘日(ろうにち)」の意味由来は?
ちなみに「蝋燭(ろうそく)」の「蝋」の正式表記体になります。昔の中国には、一年の終わりに蠟祭(ろうさい)というお祭りがありました。中国では「蠟」という字に「つなぎ合わせる」という意味があったので、「蠟祭」は神と祖先、生きている人もつなげ一緒にお祭りをする日でした。
「蠟」は「猟」に通じるので、猟でとらえた獲物などを先祖にささげて、祀っていたのです。この行事は年末に行われており、今年と来年をつなげる行事という意味もあったようです。
その後、暦と言葉だけが日本に伝わり、行事は行われないけれど、年末の暦の日として残ったと言われています。
日本でも旧暦の12月を「蠟月」と呼んだり、大晦日のことを「蠟日」と呼ぶこともあるんですよ。
臘日(ろうにち)はいつ?2024年はいつ?
それは、「蠟日」の日付の決め方にも関係があるかもしれません。
なんと「蠟日」は、カレンダーによって決め方が違うのです。
2024年の「蠟日(ろうにち)」はいつ?
冬は寒く水気の強い季節です。水を土の気で制するために、五行説で言う土の性質の辰の日が選ばれているようです。
「蠟日」は、カレンダーごとに採用している方法が違うため、そもそも載っていないことも多いです。だから「聞いたことがない。いつか知らない。」という人がいてもしかたないかもしれませんね。
決め方1…小寒(しょうかん)の後の2回目の辰の日
小寒は二十四節気(にじゅうよんせっき)のひとつで、2024年は1月6日土曜日になります。
毎日の日付には、十二支の干支が振り分けられており、「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」の日が、12日サイクルでめぐってきます。
その中の2回目の辰の日ということになりますね。その計算で行くと、2024年ならば1月29日月曜日となります。
小寒についてもっと知りたい!って人は「小寒の時期と意味由来」で紹介していますのでよかったら合わせてご覧ください。
決め方2…大寒(だいかん)に一番近い辰の日
大寒も二十四節気のひとつで、「最も寒さが厳しい時期」のこと、2024年は1月20日になります。
大寒は二十四節気の最後になりますので、その意味でも来年とつなぐ日と言えそうですね。
この日に一番近い辰の日は、2024年で言えば1月17日水曜日となります。
大寒については別記事「大寒の時期と意味由来」でも紹介していますのでよかったら合わせてご覧ください。
決め方3…大寒の次の戌の日
2024年は1月20日が大寒となります。つまり2024年の大寒の次の戌の日は1月23日火曜日になります。子の決め方だと2024年は1月23日火曜日が蠟日になります。
決め方4…旧暦の12月9日
旧暦は新暦と1ヵ月ほど違います。2024年でいえば、1月19日金曜日となります。
臘日(ろうにち)は何する?過ごし方は?
実は、「蠟日」には決め方もたくさんありますが、その意味もさまざまあるようなのです。
ある説では吉の日とされ、また別の説では凶の日と言われています。神社などでは、この日を大晦日として「大祓(おおはらい)」、つまり下半期の罪や穢れを取り除く儀式をとりおこなう場合もあるようですが、一般的には神事や結婚はしない方が良いと言われている程度のようです。
「蠟日」は、「大安」などのように、吉凶がはっきり決まっていないのでわかりにくいですが、「年の終わり・大晦日にあたる日」と思っておくと良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?「蠟日」という暦が、どんな日か、または「聞いたことがないなあ。」と首をかしげる人が多い理由は、わかっていただけたでしょうか。
「ろうにち」と読んでも「ろうじつ」と読んでも正解です。
この日は知らない人も多く、意味の幅が広いためにカレンダーによって日付が違う、または載っていないこともあります。
「結婚は凶」と言われれば、やはり結婚式は避けたくなってしまいますが、現代ではあまり気にしすぎなくても良いのかもしれません。
うっかり結婚式の日程が「蠟日」に重なってしまっても、別のカレンダーを信じればいいのですから、ちょっと気楽になれるかもしれませんね。