PR

睦月とはいつ?読み方は?意味由来は?旧暦はいつからいつまで?別名や俳句の季語も紹介

睦月
当サイトはPR提携をしています
日本では月の呼び方は2通りあります。一般的には「1月、2月」と呼びますが、「睦月、如月」などと呼ぶこともあります。

この和風の呼び名を和風月名と言い、1年の12か月すべてに和風月名があります。

大和
大和

ここでは和風名月の睦月について詳しくなりましょう。

睦月とは何月?読み方は?昔と今では違うの?旧暦はいつからいつまで?

疑問

「睦月」は「むつき」と読みます。

一年で一番祝われるお正月のある1月にしては、少しおとなしい印象がありますね。

現在では睦月はカレンダーでいうところの1月のことを指しています。

旧暦の場合はいつからいつまで?

現在では1月として使われていますが、本来の意味は少し違います。

現代の日本では新暦を使っていますが、明治5年以前までは旧暦を使用していました。睦月などの和風月名は旧暦の時代にできていますので、本来の睦月の季節は旧暦の1月、つまり、今でいう1月下旬~3月上旬辺りのことを指していたというわけです。

昔はお正月が1ヶ月ほどずれていたのです。そして新暦となった時に、現在の1月を睦月と呼ぶようになったのです。

 

大和
大和

同じ睦月という言葉でも、今の感覚と昔の人の感覚にずれがあると覚えておくのもいいでしょう。

睦月の意味・由来は?有力説がある?

意味由来・疑問

睦月の意味・由来はたくさんあります。その中でも有力と言われる説を紹介しています。
睦月の語源はどの説においても新年の様子や季節の行事に由来しています。
大和
大和

季節を大切にする日本人の心が和風月名には表れているように思います。新年最初の月を1月ではなく、睦月と呼ぶのも風情があって良いものです。

以下「睦月」の意味由来の有力説と言われる説です。

「睦び月」から「睦月」へ?

お正月に家族や親戚が集まり、身分や年齢に関係なく睦み合うことから「睦び月」となり、「睦月」になったと言われ、この説が有力とされています。

睦み合うとは、互いに親しみ合い仲良くすることです。新年に家族や親戚などが集まり、和やかに過ごしながら親交を深める様子を思い起こせば、睦月という和風月名がついたことに納得できると思います。

「元月(もとつき)」から「睦月」?

他には、新年になって一年が始まる月、一年の元になる月ということから「元月(もとつき)」になり、「睦月」になったという説。

「実月(むつき)」から「睦月」

稲の苗を発芽させるために、稲の実を水に浸す作業を1月に行っていたため、初めて水に浸す月ということから「実月(むつき)」になり、「睦月」に転じたという説。陽気が地中から蒸すところから「蒸月(むしつき)」になり、「睦月」になったという説もやや有力です。

睦月の別名・別の言い方は?

睦月には別名がたくさんありますので、ご紹介します。

初春月

まずは「初春月」。

陰暦では1月から3月が春にあたります。このため、睦月は春の最初の月になるため、このように呼ばれています。

新春

よく耳にする「新春」も睦月の別名です。

初春月と同様に、新しい春を迎える月という意味合いから「新春」という別名を持ちます。新春と聞くと、お正月に使われる言葉かと思いますが、新年最初の1か月間を表す言葉として使われます。

早緑月

「早緑月(さみどりつき)」も睦月の別名です。

陰暦の睦月は、現在の暦では1月下旬から3月上旬に当たります。

春の兆しが見え始める頃で、冬に葉を落としていた木々から緑の新芽が芽吹き出す時期。そのため「早緑月」とも呼ばれているのです。

孟春や太郎月・諏月・その他

「孟春(もうしゅん)」や「太郎月(たろうづき)」、「諏月(すうげつ)」も「睦月」の別名になります。

「孟春(もうしゅん)」は孟という字に、「太郎月(たろうづき)」は太郎という字に初という意味があるため、このふたつも睦月の別名とされています。

「諏月(すうげつ)」は諏という字には人々が集まって話し合うという意味があり、睦月を表す言葉になっています。

他にも「建寅月(けんいんげつ)」、「初空月(はつそらづき)」、「初見月(はつみづき)」、「月正(げっせい)」など、睦月には多くの別名があります。

 

現在でも睦月と書かれている物には何がある?

疑問になっている女性

和風月名は古くから使われていた呼び名のため、古い書物の中に「睦月」という言葉を見つけることができます。

例えば7世紀後半から8世紀後半にかけて編まれた日本最古の和歌集である『万葉集』。「武都紀(むつき)たち 春の来たらばかくしこそ 梅を招(を)きつつ たのしき終へめ」という作者不明の歌が掲載されています。

「武都紀」とは睦月のことですが、このころは睦月という字が使われていなかったため、万葉集では「武都紀」と表現されています。

和風月名は季節を表す言葉という意味合いから、「睦月」は冬の季語として俳句でも使われています。「神の磴(とう) 睦月の蝶を 遊ばしむ」(富安風生作)、「寒暖の 山わかれたる 睦月かな」(飯田龍太作)、「琴鼓 ならべかけたる 睦月哉(かな)」「ひもじさの 餅にありつく 睦月かな」(ともに正岡子規作)、「蛸突きや 睦月の潮に ひとり楫(かじ)」(松村蒼石作)など、探せばまだまだたくさんあります。

現在でも和風月名が記載されているカレンダーは多いので細かいところまで見る人はよく見る言葉なのではないでしょうか。通販で探すと和風月名を意識したカレンダーも見つかり楽しいですよ!

 

大和
大和

また、「睦月」は名前として子供に名付けたり、期間限定商品の商品名にしたりと、私たちの生活になじみある言葉として定着していますので意識してみると意外に聞く言葉かもしれませんね。

睦月を季語に使った俳句はどんなものがある?

睦月という言葉は古くから親しまれており、春の季語として、俳句にもよく登場してきました。

琴鼓 ならべかけたる 睦月哉

琴鼓 ならべかけたる 睦月哉(ことつづみ ならべかけたる むつきかな)

お正月の宴会で、ずっとしまわれていた琴や鼓(つづみ)が取り出されて並んでいると言った風景を詠んでいる、正岡子規の句です。

大和
大和

お正月のにぎやかさが伝わりますね。

ひもじさの 餅にうれしき 睦月哉

ひもじさの 餅にうれしき 睦月哉(ひもじさの もちにうれしき むつきかな)

こちらも正岡子規の句です。

お正月には保存されたお餅がたくさんあるので、お腹が空いている自分には、お餅がたくさん食べられる一月はいいよなあと言った意味の句です。

大和
大和

そんなことを考えてわざわざ句に詠んだところに、クスッと笑えてしまいますね。

十五日 立つや睦月の 古手買

十五日 立つや睦月の 古手買(じゅうごにち たつやむつきの ふるてがい)

こちらはあの松尾芭蕉の句です。

季語は「睦月」ではなく、小正月を意味する「十五日」になりますが、その頃になると、お正月で休んでいた古道具商人たちも働き始めるという、すがすがしい活気を感じる句です。

 

大和
大和

睦月を使った俳句からは、昔の人々のいろいろなお正月の風景が浮かんできますね。

 まとめ

睦月の由来や意味を知ってどのように感じましたか?

言い慣れた「1月」という言葉を使うよりも「睦月」という言葉を使う方が、季節感や行事のニュアンスを含み、それらを大切にする心も表現できると思います。

新しい年が明けて初めての月には、睦月という言葉がぴったりなような気がします。

タイトルとURLをコピーしました