「最近、飲み会が続いて胃がもたれているなあ…。」なんて思っている方はいませんか?毎日忙しくしていると、ついつい食事のバランスが悪くなり、食べすぎたり飲みすぎたり…。
暦の中の「暦注下段(れきちゅげだん)」という占いには、そんな現代の私たちにもピッタリの暦があるのを、ご存じでしょうか?それは「歳下食」と言います。
「歳下食」って暦になじみがないかもしれませんが、この暦は食生活を見直すきっかけとなる暦なので、ぜひチェックしてみてくださいね!
目次
「歳下食(さいげじき)」の意味由来は?「時下食」との違いも紹介!
暦注下段の中でも、少しマイナーな暦と言えるでしょう。この日は、流星のひとつ、天狗星(てんこうせい)の精が、食事をするために地上に降りてきている日と言われています。
この日に食事をすると、栄養を全て天狗星の精に取られてしまい、精の食べ残しをうっかり人間が食べると、災いが起きるとも言われています。
そのため、食事や、食事にまつわることがNG、この日に食あたりを起こすと、最悪の場合死に至るとも言われる凶日なのです。
食に関する事に注意する暦になりますね!
天狗星(てんこうせい)とは何?
天狗というと、現代の私たちは、「山の中に住む羽で飛び回る妖怪」のようなイメージがあると思います。
ですが、古く日本や中国では、流星のことを天狗と呼んでいました。流星は、宇宙で燃えつきずに大気の中を飛ぶと、音を発します。古代中国では、その音の出る流星のことを天狗と呼んでおり、それが日本に伝わりました。
大気に飛び込んだ流星は、爆発をしたり、燃えながら落ちることがあります。その様を見て、「これは、天狗の吠える声だ。」とする言葉が、飛鳥時代の日本書紀に記されています。
「狗」は犬のことです。大きな音を立てて空を飛ぶ流星が、吠えながら天をかける犬のように見えたのでしょうか。
流星の落ちた方向には災いが起きると言われており、天の使い、天帝の警告などと言われて、恐れられていたのです。
その後、流星と関連づけた天狗説は薄れてゆき、現在の山の中を飛び回る怪しげな妖怪という存在となったのですよ。
「歳下食(さいげじき)」は吉日や凶日と重なるとどうなる?
暦注下段では、悪い日と良い日が重なると、悪いものが強いと言われることが多いですが、歳下食の場合は吉日と重なってもさほど悪影響を及ぼしません。
半面、凶日と重なると大凶となってしまうので、注意しましょう。
「歳下食(さいげじき)」と「時下食(ときげじき)」の違いは?
同じ暦注下段では「歳下食(さいげじき)」と似ている暦に「時下食(ときげじき)」があります。
「時下食(ときげじき)」は食に関する凶を時間で区切りますが、歳下食は一日中、食事が凶とされます。
「時下食(ときげじき)」の日程や意味由来については別記事で紹介しているのでよかったらあわせてご覧ください。
「歳下食(さいげじき)」はいつ?2024年は?
日付には、おなじみの十二支と、「庚(かのえ)、丙(ひのえ)」などの10個の文字(十干/じっかん)を組み合わせて「丙午(ひのえうま)」などのように表記する、十干十二支(じっかんじゅうにし)という表し方があります。
歳下食は、決められた干支の年の、決められた十干十二支の日とされています。
十干十二支は60パターンあるので、60日に一度、定期的にめぐって来る凶日と言えるでしょう。
各年の「歳下食」の日
- 子の年…丁丑(ひのとうし)の日
- 丑の年…庚寅(かのえとら)の日
- 寅の年…丁卯(ひのとう)の日
- 卯の年…壬辰(みずのえたつ)の日
- 辰の年…丁巳(ひのとみ)の日
- 巳の年…丙午(ひのえうま)の日
- 午の年…丁未(ひのとひつじ)の日
- 未の年…庚申(かのえさる)の日
- 申の年…丁酉(ひのととり)の日
- 酉の年…丙戌(ひのえいぬ)の日
- 戌の年…辛亥(かのとい)の日
- 亥の年…庚子の日(かのえね)の日
ここで使われている年とは、旧暦の年になります。
2024年の「歳下食」の日程
- 2月23日
- 4月23日
- 6月22日
- 8月21日
- 10月20日
- 12月19日
60日に一度とあまり多くはないので、気にしやすいとも言えるでしょう。気になる!って人はカレンダーにチェックを!
「歳下食(さいげじき)」にするといい事としてはいけない事は?
食に関する事はしないほうがいい?
歳下食は、天狗星の精がおりてきているので、食事が凶と言われる日です。そのため、食事や食事にまつわることをすると縁起が悪いと言われています。
中でも、大酒や大食は凶なので、控えた方が良いでしょう。
種まきや俵をあけること・草木を植えること・沐浴もしないほうがいい?
この日に不向きなことは、ほぼ時下食と同じで、種まきや俵をあけること、草木を植えること、沐浴(もくよく=体を洗って清めること)などが良くないとされています。
歳下食は60日に一度なのでかなり少ないと言っても、時下食と違って1日中食事がNGとなりますので、きっちり守ろうと思うと、プチ断食をしなくてはならなくなります。それでは不都合も多くなると思いますので、「この日だけは胃を休めるようにしよう。」くらいに心がけておくと良いでしょう。
したほうがいい?する事は?
「歳下食(さいげじき)」にしたほうがいい事・する事などは特別ありません。
する事よりもしない事、しないほうがよい事を意識する日になるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?暦注下段のひとつ歳下食がどんな日か、おわかりいただけましたか?
回数は少ないですが、食べすぎや飲みすぎに気を付けたい一日であることがわかりましたね。この暦通りにするのは、現代の生活ではなかなか難しいと思います。
ですが、60日に1度くらいであれば、「ここらで一度、休肝日をもうけるか。」などと、食生活を見直すきっかけにはなるでしょう。
暦注下段は、そもそも迷信のような一面もあるものです。振り回されずにうまく取り入れて、健康に過ごしてくださいね!