七草粥と似ているような気もしますが、何か関連性があるものなのでしょうか。実は七草爪というのは、新年の風習のひとつとして受け継がれてきたものです。
どんな風習なのか見ていきましょう。
目次
爪切りの日?七草爪とは?意味は?
昔から1月7日は「七草爪」や「七日爪」と呼ばれ、新年になって初めて爪を切って良い日とされてきました。
昔の人はお正月の間、血で穢すことを忌み嫌っていたと言われています。当時は爪を切るときに小刀などの刃物を使っていました。今のように安全に爪を切れなかったため、出血の可能性が高かったと考えられます。
また正月に刃物を使うと、良縁も切ってしまうと考えられていたため、刃物を使うこと自体を控えていました。
七草爪の風習・意味由来
そして「七草爪」の風習は、中国古来の風習が組み合わさったとも考えられています。昔、中国では元旦から6日まで1日は鶏、2日は狗(いぬ)、3日は羊、4日は猪、5日は牛、6日は馬とそれぞれの日に動物を当てはめて占いを行っていました。
そして7日は人を占う日とし、人を大切にする「人日(じんじつ)の節句」となりました。
古来の中国で人を大切にする日が後に日本に伝わり、爪という細部を思いやる日へとつながっていきました。そのため、1月7日に爪を切ると、その年は無病息災になると考えられてきました。
2024年七草爪はいつ?1月7日?毎年同じ日?
節句は古代中国の陰陽五行説を由来とする暦のことで、1年に5回、奇数の数字が重なる日を差します。1月7日を人日、3月3日を上巳、5月5日を端午、7月7日を七夕、9月9日を重陽と呼びます。
古来の中国では1月7日の人日の節句は7種類の若菜を入れた温かい吸い物を食べて一年間の無病息災を祈る日、3月3日の上巳の節句は水辺で身体を清め、宴会を催し、災厄を祓う日、5月5日の端午の節句は厄除けを行う日、7月7日は七夕の節句は手芸に携わる女性がもっと上達するように星空に祈りを捧げる日、9月9日の重陽の節句は凶日を回避する日とされてきました。
これらは古くから日本に伝わり、今でも似たような風習が残っています。 七草爪も中国の風習が残る習慣のひとつなのです。
正月が明けてすぐの節句、1月7日は、現在は七草粥の日として認知されていますが、本来は七草爪の日でした。
このように、人日の節句が七草爪の日とされていることから、毎年1月7日という日程は変わりません。
2024年の七草爪の日程
七草爪と七草粥の関連性は?
「七草」と同じ言葉が使われていることから、きっと何か関連性があると想像がつくように、深い関連性があります。
古来の中国では、1月7日の人日の節句に7種類野菜が入ったものを食べる習慣がありました。これは邪気を払って1年の無業息災を願う意味合いがありました。
一方、古来の日本では新年の初めに若菜を摘んで、新しい生命力をいただく「若菜摘み」という習慣がありました。平安時代にこの中国の食習慣が伝わると、もともとあった若菜摘みの習慣と合わさり、1月7日には7種類の若菜を入れた「七草粥」を食べるようになったと言われています。
七草爪はこの七草粥ととても深い関係があるのです。
七草を浸した水や七草のゆで汁に爪を浸す?
その時に使った七草を浸した水や七草のゆで汁を冷ましたもの、これが七草爪には不可欠なのです。新年になって初めて爪を切るときは、まずこの水に爪を浸し、爪を柔らかくしてから切るようにしていたのです。
古来中国の、邪気を払って1年の無業息災を願っていた気持ちがしっかりと受け継がれ、、1月7日に爪を切ると風邪をひきにくいと言われるようになったのです。
爪切りの日の七草爪の爪の切り方は?普通通り?違う?
まずは七草粥に入れる七草をしばらく水に浸します。この水に家族全員が指を入れ、爪をしばらく浸します。
爪が水分を含み、少し柔らかくなったら新年初の爪切りをします。七草爪をした後は、いつでも爪切りをしても良いとされています。
このように、普段の爪切りと違うところは、七草を浸した水が必要という点です。普段、「せり、なずな、おぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」の7種類の若菜を集めるのはかなりの苦労を強いられます。
しかし昨今は三が日を過ぎれば、七草粥用に春の七草セットが売られています。これを利用して七草爪を試してみると良いでしょう。
爪は乾燥している時に切ると刃が鋭く入り、爪に負担がかかります。二枚爪や爪が欠ける原因になり、爪の健康状態を保つためにも避けたいところです。
小さな刃物で爪を切っていた昔の人々が、七草を浸した水で爪に水分を与えて、柔軟性を高めてから切っていたことはとても興味深いですね。
まとめ
あまり知られていない七草爪の風習、知れば知るほど奥深いです。
爪を切ることですら、昔の人は無病息災を願っていることを考えると、昔はそれだけ病気が多く、1年間健康で過ごすことがどれほど大切だったかがわかります。
年明けの風習のひとつとして、後世に引き継いでいきたいですね。