なにかのおりにお手紙をいただいて、「○月吉日」と最後に書かれているのを見たことがありませんか?
おめでたいような印象がありますが、いざ、自分が手紙に書こうと思うと「これで失礼はないのかな?」と心配になってしまいますよね。

吉日が使える文書・手紙と使えない文書・手紙、また某日との違いをここでは紹介しています。
目次
「吉日」って?使い方は?
一般的な公的文書には、日付を入れますよね。ですが、日付がさほど重要でない時に、「○月吉日」とぼやかして表記するのです。
例えばパーティの招待状を大量に印刷して、発送の日付に差が出てしまう時などは、日付が限定できませんよね。また、内容にパーティの開催日などが書いてあれば、送付した日付と混同してしまうことがあるので、あえて吉日と書く場合もあります。
「○月吉日」は「○月の良き日を選んでご案内いたします。」という意味があり、とても明るいイメージの言葉です。

ですが、「縁起が良い」という意味が強いので、もちろんそぐわない文書もあります。お相手に失礼とならないように、吉日を使ってよ良いタイミングについて考えてみましょう。
手紙や文書で「吉日」が使える種類と使えない種類は?
内祝いやお礼状、案内状、あいさつ文・お知らせの手紙やお詫び・謝罪文・招待状・契約書・暑中見舞い、さらには訴訟や葬儀・退職関連の書類、また不幸に関する手紙もどうなのか?気になりますよね。

報告書・見積書、遺言書などを書く時も「?」となる人が多いようですよ。
では、どんな場面で「吉日」が使えるのかを調べてみましょう。
「吉日」が使える文書(手紙)
- 婚礼関係(結婚式や披露宴)の招待状
- 出産のお知らせ
- 米寿、還暦祝いの案内状
- 建築関係(地鎮祭、上棟式など)のお知らせ
- 謝恩会など、各種祝賀パーティのご案内
- 定年退職する方への感謝の文書
- 親睦会などの前向きなイメージの会のお知らせ
- 暑中見舞いや寒中見舞い
- ビジネス文書(DM、株主への優待、行事や社屋移転などの案内など)

お祝いに関する文書では、日付をはっきりと明記することは少なく、「縁起を担ぐ」という意味であえて「吉日」と表記することが多いようです。
「吉日」が使えない・適さない文書(手紙)
- 内祝いなどのお礼状(お礼を言っている日がいつか分からないのが失礼だから。)
- 葬儀など、ご不幸に関する手紙(おめでたい言葉だから。)
- 報告書、見積書、督促状、契約書、保証書、社内の報告書などビジネス文書
- 訴状などの訴訟関連書類
- 金銭に関する文書(日付が重要だから。)
- 議事録(記録することに意味があるから。)
- 遺言書(複数あった場合、直近の遺言状が有効だから。)
- お詫びの文書や謝罪文(謝意があるのか伝わらなくて、失礼となるから。)
契約書や見積書の日付がぼやけていたら、のちのち有効期限がいつまでかわからないなどのトラブルが起きますよね。

先方に期限の管理が甘い会社と思われたり、「日付をはっきりさせたら困ることがあるのでは?」などの余計な疑いをもたれてしまいます。
「内祝い」や「お礼状」は吉日を使っていいと勘違いしやすい
どちらも、おめでたい際が多く、うっかり吉日と使ってしまいがちです。
しかし、お礼を言っている日がいつか分からないのが失礼に当たるので「吉日」の使用は控えましょう!
「某日」と「吉日」の違いは?それぞれの使い方を紹介!
某日は吉日と同様に日付をぼかす表現がある
「某日」という言葉は、「ぼうじつ」や「あるひ」「それのひ」などと読み、不特定の一日のことを意味します。
このように使って、「11月のある日のこと」、という意味を持たせます。
某日は吉日と同様に日付をぼかす表現があります。
某日は日付がはっきり分からない時やわざと隠す時に使うのが一般的
テレビのバラエティなどでも、芸人さんに突撃ロケをしたVTRが流れると、「○月某日、●テレビ」などとテロップが入るのを見たことがあると思います。
某日とは、吉日と同じように日付をぼやかした表現ではあるのですが、日付がはっきりわからない時やわざと隠す時などに使われるものです。

某日は日付をぼやかす事も出来ますが、実際に分からない時や敢えて隠す時に多く使うのです。
某日は正式な文書の日付では適さない?その代わりに吉日を使う?縁起が良いと言う意味もない?
「某日」は正式な文書の日付として使われるのは適さないが、そのかわりに「吉日」という言葉を使っているわけです。
また、某日には吉日にある「縁起が良い」という意味はありません。

やはりおめでたいタイミングにそえる言葉には「吉日」が最適と言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?吉日という言葉を使うタイミングはわかりましたか?
吉日はお祝いや慶事の際によく使われますが、お礼の際にはそぐわない言葉だったのですね。今まで誰かに失礼なことをしていなかったかと、思わずふりかえってしまいます。
こういった暦や慶事のマナーというのは、「知っている。知らない。」で相手からの印象が大きく変わってしまうものです。
「あ…、この人わかってないんだ…。」と残念に思われてしまうと、せっかくのお祝い気分も少し冷めてしまいますね。まだ、知人どうしのやりとりならいいのですが、ビジネスシーンで場違いな言葉を使ってしまうと、会社の信頼を失うことにもなりかねませんので、気をつけましょう。
「吉日」という言葉は、おめでたさをさらに広げてくれるような、明るい素敵な言葉です。意味をきちんと理解して、適切なタイミングでお便りにそえてあげると良いでしょう。