結婚式の日程に、大安や天赦日などの、縁起の良い暦を気にする方は多いと思います。ですが、「挙式はなんとか大安で取れたけれど、その後の新婚旅行が心配だな…。」と思う方もいると思います。
引っ越しや開業などにしても、その後の数日間も運気を守ってもらえたら、安心して良いスタートが切れそうですよね。
暦には、そんな数日間にわたるイベントを支えてくれるような吉日があるのをご存じでしょうか?暦の下の方にある「歴注下段(れきちゅうげだん)」のひとつ、「天恩日」がそれにあたります。
この日は数日間を守ってもらえるめずらしい暦なので、ぜひ、チェックしてみてください!
「天恩日」の意味由来は?
暦注下段の7つの吉日「七箇の善日(ななこのぜんにち)」のひとつで、天の恩恵をすべての人が受けられ、福が訪れる吉日とされており、大きな一歩を踏み出す、成長につながるイベントに最適の日です。
「天恩」という言葉には「天子(天皇)の恩」という意味もあることから、天皇から恩恵を受けられる日と解釈することもあるようです。
日本の江戸時代の暦「宝暦暦」に記載があった
天恩日は、日本の江戸時代の暦、宝暦暦(ほうりゃくれき、1755∼1798年)に、母倉日(ぼそうにち)や月徳日(げっとくにち)と並んで、初めて登場しました。
後に宝暦暦は使われなくなりましたが、この暦だけが、歴注下段として残ったというわけです。
慶事全般ととても相性が良く、暦の中では珍しく、5日間連続で訪れることから、結婚式などの様々なお祝い事の日として、よく選ばれます。
大安や天赦日などの他の吉日と重なると、さらに運気がアップし、反対に凶日と重なると、効果が相殺・半減するとも言われています。日取りを選ぶ際には、他の暦にも少し気をつけてみてくださいね。
「天恩日」はいつ?2024年はいつ?
十干十二支では、毎日の日付を12個の干支と、「甲(きのえ)、丙(ひのえ)」などの10個の文字(十干)を組み合わせて、「丙午(ひのえうま)」などと表記します。
この組み合わせは全部で60パターンあり、その内の決められた十干十二支の日から5日間連続で、3セットを天恩日とされています。
天恩日となる十干十二支
- 甲子(きのえね)からの5日間(乙丑、丙寅、丁卯、戊辰まで)
- 己卯(きのとう)からの5日間(庚辰、辛巳、壬午、癸未まで)
- 己酉(きのととり)からの5日間(庚戌、辛亥、壬子、癸丑まで)
2024年の天恩日
- 1月 1日(月)、2日(火)*、3日(水)、4日(木)、5日(金)、16日(火)*、17日(水)、18日(木)、19日(金)、20日(土)
- 2月 15日(木)、16日(金)、17日(土)、18日(日)、19日(月)
- 3月 1日(金)、2日(土)、3日(日)、4日(月)、5日(火)、16日(土)、17日(日)、18日(月)、19日(火)*、20日(水)
- 4月 15日(月)、16日(火)、17日(水)*、18日(木)、19日(金)、30日(火)
- 5月 1日(水)、2日(木)、3日(金)*、4日(土)、15日(水)、16日(木)、17日(金)、18日(土)、19日(日)*
- 6月 14日(金)、15日(土)、16日(日)、17日(月)、18日(火)*、29日(土)、30日(日)
- 7月 1日(月)、2日(火)、3日(水)、14日(日)、15日(月)、16日(火)、17日(水)、18日(木)
- 8月 13日(火)、14日(水)*、15日(木)、16日(金)、17日(土)、28日(水)、29日(木)、30日(金)*、31日(土)
- 9月 1日(日)、12日(木)*、13日(金)、14日(土)、15日(日)、16日(月)
- 10月 12日(土)、13日(日)、14日(月)、15日(火)、16日(水)、27日(日)*、28日(月)、29日(火)、30日(水)、31日(木)
- 11月 11日(月)、12日(火)*、13日(水)、14日(木)、15日(金)
- 12月 11日(水)、12日(木)、13日(金)*、14日(土)、15日(日)、26日(木)、27日(金)、28日(土)、29日(日)*、30日(月)
定期的にめぐってくるので日程も似ていて、覚えやすいですよね。
「天恩日」するといい事としてはいけない事は?入籍や結婚・納車・転職・お参りは?
【するといい事①】結婚式・入籍・引っ越し
天恩日は、新しいことを始め、人生を一歩踏み出すようなタイミングにピッタリです!新生活の始まる結婚式や入籍、引っ越しをすれば、前後の日程まで安心して乗り切れます。
【するといい事②】起業・開業・転職
もちろん起業、開業、転職などもおすすめ。その後吉日が続くと言われれば当然ですね。
【するといい事③】お宮参り・七五三・出産祝い・入学祝い
慶事と相性が良いので、お宮参りや七五三、出産祝い、入学祝いなどにも最適です。
人に喜ばれることをすると、恩恵を受けやすくなるとも言われるので、お祝いのプレゼントなどを送ってみるのも良いでしょう。
【するといい事④】大きな買い物・契約・納車
大きなお金の動く家や土地などの買い物や契約、納車ももちろんOK。
【するといい事⑤】お財布の買い替え・宝くじの購入
天恩日は金運ももちろん良いです。
さらに大安や寅の日、一粒万倍日などと重なる日取りなら、お財布の買い替えや宝くじの購入にも最適でしょう。
この日にお参りをすると金運がアップするとも言われていますよ!
大安や寅の日、一粒万倍日については別記事でも紹介していますのでよかったらあわせてご覧ください。
【するといい事⑥】厄払いや地鎮祭・上棟式・縁結びや商売繁盛の祈祷
厄払いや地鎮祭(じちんさい=工事の安全を祈る儀式)、上棟式(じょうとうしき=屋根を組み、その後の工事の安全を願う儀式)などの儀式、縁結びや商売繁盛の祈祷などもおすすめです。
【してはいけない事?不向き?】葬式・お通夜
様々なことに向いている反面、葬式やお通夜などの凶事だけは不向きと言われています。
弔事は日にちを選べないかもしれませんが、歴注下段は科学的根拠のない占いなので、気にしすぎないことも大切です。お墓参りは差しつかえはありません。
まとめ
いかがでしたか?暦注下段の吉日のひとつ、天恩日がどんな日か、おわかりいただけましたか?
天の恵みのある新しいスタートに最適な日で、5日間も連続して訪れるという珍しい一面もありました。暦注下段は迷信とも言われる占いですが、こういった気持ちのアップするような吉日は、どんどん取り入れて楽しく生活をしたいものです。
正直なところ、暦は気にしすぎるときりがありません。ですが、ピンポイントで狙いたい日は天赦日、数日間なら天恩日のように、暦の特性に合わせて使い分けてみると、ぐっと取り入れやすくなるでしょう。