「今年こそは、家族で旅行に行こうか?」近年は旅行がしにくかったので、ウキウキとこんな話をしているご家族も多いと思います。
旅行はとっても楽しいですが、移動をするということは、それなりに危険も増えるもの。家族みんなで元気に帰ってくるために、「できれば縁起の良い日に出発したいな…。」と思いますよね。
暦の下の方にある占い、「歴注下段(れきちゅうげだん)」には、大安や天赦日などの吉日の他にも、ピンポイントで「旅行に注意してね。」という暦も載っています。
今回は、そのひとつ「往亡日」についてご紹介したいと思います!
目次
「往亡日」の読み方や意味由来は?
字を見てもわかるとおり、「往(ゆ)きて亡くなる。」という不吉な意味があり、出かけること、出向などを凶とする悪日です。
陰陽道(おんみょうどう)に由来する考え方で、出発や船出、出軍などに凶、「新しい門出」という意味では、結婚や元服、移転なども向いておらず、「行動すると、失敗となる日」という意味があります。
奈良時代から使われていた暦「具注暦(ぐちゅうれき)」にも登場したと言われており、10世紀くらいには使われていたのではないかと言われる、とても古い暦です。
「往亡日」はいつ?2024年はいつ?
「それぞれの月の〇日目が往亡日」とされているので、1年に12回と決まっており、歴注下段の中では、比較的わかりやすい暦と言えるでしょう。
各月の往亡日
- 正月…立春(りっしゅん:2月4日~)から7日目
- 2月…啓蟄(けいちつ:3月6日~)から14日目
- 3月…清明(せいめい:4月5日~)から21日目
- 4月…立夏(りっか:5月6日~)から8日目
- 5月…芒種(ぼうしゅ:6月6日~)から16日目
- 6月…小暑(しょしょ:7月7日~)から24日目
- 7月…立秋(りっしゅう:8月8日~)から9日目
- 8月…白露(はくろ:9月8日~)から18日目
- 9月…寒露(かんろ:10月8日~)から27日目
- 10月…立冬(りっとう:11月8日~)から10日目
- 11月…大雪(たいせつ:12月7日~)から20日目
- 12月…小寒(しょうかん:2024年1月6日~)から30日目
ここでいう月は節切りなので、現代の月とは少しずれていますのでご注意ください。二十四節気は、年によって日付が少しずつ変わります。
12月節の往亡日は30日目なので、どうしても翌年の1月へずれ込んでしまいますね。そのため、12月節と、翌年の正月節の往亡日はとても近くなります。
各月の日数をよく見ると、7×1、2、3、8×1、2、3と、規則的になっていることがわかります。
2024年の往亡日の日程
- 2月10日(立春)
- 3月18日(啓蟄)
- 4月24日(穀雨)
- 5月12日(立夏)
- 6月20日(芒種)
- 7月29日(大暑)
- 8月15日(立秋)
- 9月24日(秋分)
- 11月3日(霜降)
- 12月26日(冬至)
回数は少ないので、日程の調整はしやすいでしょう。
「往亡日」にするといい事としてはいけない事は?引っ越しや入籍・納車は?
旅行・お出かけはしないほうがいい?
旅行やお出かけなど、どこかへ行くのはもちろんNG、特に船出などには注意しましょう。
時代的に、出陣なども控えるとされていました。出発が不向きなこの日は、具体的な旅立ちだけでなく、「新しい門出」とも相性がよくありません。
そのため、元服(げんぷく=成人したことを示す儀式)や、拝官(官職につくこと、命ずること)なども不向きです。
現代でも出張や転職、開業などは、できればこの日を避けた方が良いでしょう。
結婚式・入籍・婚約もしないほうがいい?
もちろん夫婦の新しい生活を意味する、結婚式や入籍、婚約はすべて良くありません。
家を建てる・引っ越しもしないほうがいい?
建築をはじめ、新しい家を建てるのもNGです。
移動と門出の両方の要素がある引っ越しは、特に控えた方が良いでしょう。
納車は?
日取りが気になるものとして納車があります。
納車は、持ってきてもらうのであり、「移動ではないから大丈夫?」と思いがちです。往亡日の納車は絶対NGとは言われていませんが、新車が到着すれば乗ってみたいもの、そのままドライブに出てしまうのは良くないでしょう。
するといい事は特にない?
「新しいことを始める」ことと縁のないイベントは、行ってもさしつかえがないと言われています。しかし、するといいわけではなく、しても差し支えないという事です。
「往亡日」だからと言ってするといい事は特にありません。
まとめ
いかがでしたか?暦注下段のひとつ、往亡日がどんな日か、おわかりいただけましたか?
文字通り「往く」ことと相性の悪い凶日ですが、1年に数回しかないという一面もありました。現代では、元服や出兵と言ったできごとは考えにくいですが、家族旅行を安全に終わらせたいと思った時は、少しだけ気にしてみてください。
新しいお仕事を始めるスケジュールなどは、自分で変更できるものではないかもしれません。
暦注下段は、そもそも科学的根拠のない迷信とも言われる占いです。日程が重なっても、信じすぎて不安になってしまわないように、気をつけてくださいね。