お釈迦様に関係する成道会という法要についてはご存じない方が多いかも、どういった由来があるのか・何をするのかなど詳しく見ていくことにします。
目次
成道会の意味・由来は?
成道というのは悟りを開くという意味です。
2500年ほども昔の12月8日にお釈迦様は煩悩の悪魔であるマーラを退け悟りを開きました。そのことをお祝いし感謝する日ということで、今もほとんどの宗派にて成道会は行われています。
仏教においては、この成道会の他にお釈迦様が生まれたことをお祝いする灌仏会・入滅の日の涅槃会も、これら3つが大切な行事とされており、釈尊三大法要と呼ばれます。
ちなみに「成」という文字は「せい」と読むのが現代の常識、これは漢音読みで7世紀8世紀ごろに遣唐使らによって長安より伝えられた発音なのです。
それよりも前の時代に伝わってきたのが「じょう」という読み方、呉音読みです。お経に書かれてある文字と読みに違和感があるのは、呉音読みが多用されているからでしょう。
成道会がどれだけ昔から続く行事であるかということが分かります。お釈迦様が悟りを開いたからこそ完成した仏道、どれだけ仏教を信じるものにとって大切な日であるかも分かるでしょう。
成道会はいつ?12月8日か?
12月8日が成道会の日となるのです。
悪魔からの誘惑、更には飢え・眠気・乾きと生理的欲求が次々襲い掛かってくる中で瞑想を続けたシッダールタが49日後の12月8日の明けの明星が輝くときにすべてに打ち勝ち、最高の境地・さとりを得たのでした。
そして彼はブッダとなったのです。 この12月8日とは旧暦でのもの、ですから新暦に直すと1月の下旬ごろにおこなわなければなりません。ですが12月8日という日にちの方を大切にし、多くの寺院は今でも12月8日に成道会がおこなわれているようです。
この12月8日という日、真珠湾攻撃を決行した日でもあります。日本人の運命を変える出来事が2つも起こった12月8日という日、成道会には興味がない・知らなったという方もぜひこの日には少し思いをはせてみてはいかがでしょう。
49日間瞑想を続けたお釈迦様にはかなわないものの、曹洞宗や臨済宗においては12月1日から8日の成道会の日まで摂心会(せっしんえ)という名で座禅修行がおこなわれています。
成道会は何する?一般の人は?仏教系保育園では?
どちらかというとお釈迦様の誕生日となる灌仏会の方が有名、花祭りとも呼ばれ色とりどりの花々が飾られた花御堂、誕生仏に甘茶をかけてといった様子を見たり体験したことがある方も多いですよね。でも、成道会でやる事って・・。
実は現在でも仏教系の幼稚園などでは、お釈迦様が悟りを開くまでの出来事を劇などで披露するようです。
更には礼拝に合掌・献茶・献花などお釈迦様の前でおこなうのです。お釈迦様がどのような苦労の末にお悟りを開かれたのかを知ると共に、そのことに対して感謝をするわけです。
日常の暮らしの中で仏教とはあまり縁がないという方であれば、12月8日に寺院に行ってみるとよいでしょう。三大行事の一つなのですから、大なり小なり何らかのイベントはおこなわれているはずです。
「たった1つしかない命を大切にしましょう。自然や動物・お野菜などさまざまなものから命をいただいて我々は生かされているのです。どんなに小さなことであっても悪いことはしてはいけません。」いずれもお釈迦様の大切な教えです。
これらの言葉をもう一度胸に刻み、子どもたちにも教えてやる日とするのも良いですね。
成道会では「乳粥」を食べる?その意味由来は?簡単に作れるの?
なぜ乳粥を食べるの?意味・由来は?
この乳粥を食べたからこそ心身ともに回復、更には苦行をしただけでは悟りは開けないとの考えに行き着き菩提樹の元で瞑想し真の悟りを開くこととなるのです。
つまり仏教において乳粥は大切なアイテムです。
乳粥の材料は?自宅で簡単に作れる?
自宅でも簡単に作れるはず、12月8日の成道会には食してみても良いでしょう。
作り方(おかゆ1合の場合)
- おかゆを作る(1合)
- 牛乳1リットル、ハチミツor砂糖を大さじ5杯、塩を少々入れる。
- 5分ほど煮て完成
実際に、インドでは今も当たり前に食べられているようです。ろくに食べ物を食べられずやせ細ったお釈迦様には、消化も良く優しい口当たりの乳粥がまさにピッタリの食べ物だったのでしょう。
砂糖よりも出来ればハチミツを入れたほうが美味しく出来上がりますのでおすすめ。純粋の国産蜂蜜が特にぴったり。
元気を出してほしいというスジャータの気持ちもたっぷり込められていたからこそ、大きな力となってくれたのです。
まとめ
お釈迦様が悟りを開いたからこそ仏教は出来た。
大切な行事である成道会をぜひ知っておいてください。一般的な知名度はそれほどではないですが、各地の寺院や仏教関係者を通じて大昔からずっと受け継がれる大切な行事の一つです。