春分とセットで覚えている方も多いのではないでしょうか。
でも、「毎年日付が違って今年はいつだかわからない」「そもそもなぜ日付が変わるの?」と素朴な疑問が生まれますよね。お彼岸やお墓参りとも密接に関わるイベントなので、毎年の秋分の日程を確認する人も多いのでは?
そして、秋分は「立春」「夏至」「冬至」などと同じ暦(こよみ)の名称であります。今回は、秋分の意味や関連行事、暦の考え方など詳しく解説していきたいと思います。
目次
秋分の日って?春分の日とは対照的?おはぎを食べる?
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、ずいぶん涼しくすごしやすい気候の時期になります。春分の日と同じように、昼と夜の長さが同じになりますが、意味は対照的。
春分の日は生命に感謝する日でしたが、こちらは、「先祖を敬い、亡くなった人々をしのぶ日」という意味があります。
おはぎをよく食べますね。こちらは春のぼたもち(牡丹餅)と違って「御萩」からきています。小豆には邪気を払うという意味があり、砂糖を使って贅沢に作りお供えし、みんなで健康を祈願していただいていたようです。
秋分の日で、曼殊沙華の花をイメージする方も多いかと思います。サンスクリット語で「天界の花」という意味を持つ曼殊沙華、秋分の日にぴったりの赤くて線香花火のような印象的な花です。
曼殊沙華には、根に毒があり、田畑やお墓を守るという意味で、むかしから植えられていたようです。皆さんもご先祖様に感謝して、手を合わせましょう。
【秋分の日はいつ?】「9月23日の年もあれば9月22日の年もある?」2024年は?
ただし、太陽の位置で毎年計算されて日時が決まるため、年によっては22日になることもあります。
これが混乱の元。9月22日が秋分の日の年だと、その日が今後も秋分の日だと勘違いして次の年まで響いてしまいます。太陽の位置で毎年計算されて決まる事を覚えておきましょう。
2024年の秋分の日はいつ?
このあたりの一週間は秋のお彼岸となります。
こちらも春分の日と同じく、あの世とこの世(東と西)が一番近くなる日、つまり彼岸(あの世)と一番近づける日と言われています。
年ごとの秋分の日を抜粋
ここでは例として2017年から2024年までの秋分の日を抜粋しています。
だいたいはこれからもこんな感じに年によって微妙に日程が違ったり同じ年が続いたりになるでしょう。アバウトに秋分の日の日程は年によって微妙に違いがある事があるのだと認識しておくと勘違いしないで済みますね!
西暦 | 秋分 |
---|---|
2017年 | 9月23日 |
2018年 | 9月23日 |
2019年 | 9月23日 |
2020年 | 9月22日 |
2021年 | 9月23日 |
2022年 | 9月23日 |
2023年 | 9月23日 |
2024年 | 9月22日 |
前述した太陽の位置で日付を毎年計算すると記載しましたが、実際には太陽と地球の位置で決まります。
「秋分の日」の日付は太陽と地球の位置で決まる
日付がずれてしまう理由は、太陽と地球の位置を固定して日時をあわせて決めているからです。
1年に1回、地球と太陽が決まった位置関係になったタイミングのことを秋分と名付けているので、「9月23日は秋分の日にしよう」というように日付で決めているわけではありません。日付そのもので決まっている「節句」等とは全く考え方が違うのです。
では、どのような位置関係がきまっているのでしょうか。下記の図をご覧ください。
これは太陽の周りを1年間かけて地球が1周回る様子を示しているいる絵です。決まった角度の場所ごとに名前がついています。
秋分はいつなのかというと、春分を基準にして180度の位置、ちょうど真向かいにきたときの日時となります。
「でも、1周まわって戻って来る時間は1年なんだから、同じことじゃないの?日付がずれる理由になってない・・」
と思うかもしれませんが、「うるう年」を思い出してみてください。
これによって毎年天文学的な秋分の時間は毎年ずれていて、それが重なると日付もかわり、うるう年で調整されてまた戻る、ということを繰り返しています。
年によって日付が違うことがあるのは、上記のような理由からです。そのため、これからも秋分が9月22日になる年は定期的にあるのです。
【秋分とは?】旧暦の名称?二十四節気の1つ?期間や意味・季節・由来は?
そもそも秋分がなんなのか、詳しくみてみましょう。
秋分とは旧暦の名称
秋分とは、二十四節気(にじゅうしせっき)と呼ばれる暦の季節の名称のひとつです。毎年9月23日頃のことを旧暦で秋分と呼びます。
二十四節気とは?
二十四節気とは、地球から見たときに太陽が1年かけて1周する円を基準として、1年を24等分し約15日ごとに区切ってつけた季節の名称を意味しています。
先ほどの太陽の図をもう一度見てみましょう。
春分を起点に24等分された地球と太陽の位置関係の名前は、位置関係と同時に季節を表していたのです。これが二十四節気とよばれる旧暦の正体です。
24等分して1ヶ月の前半を【節(せつ)】、後半を【中(ちゅう)】とよび、それぞれの区切りとなる日に季節を表す名前がつけられています。
上記の太陽の図を四季ごとにならべたのが下記の一覧表です。
二十四節気の秋分の期間
二十四節気では、「秋分」などの名称は特定の一日だけでなく【期間】としての意味もあります。
9月23日が秋分の日の年を例にすると、秋分の期間は9月23日から寒露(かんろ)の前日の10月7日までの15日間になります。
秋分の前は「白露(はくろ)」、白露があけて秋分をすぎると10月8日からは「寒露」の季節がはじまります。
秋分の意味・季節・由来は?
春分のときと同じく、太陽が真東から昇って真西に沈むため、1日のうちの昼と夜の長さがほぼ同じになります。春分の場合は春分点を境に昼が長い夏至へと向かい、秋分の場合は秋分店を境に昼が短い冬至へと向かいます。
秋分を境に夜が1日およそ2分ずつ長くなり、昼は短くなります。秋の夜長のはじまりです。
気温も下がり、冬へとむかっていく季節。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われ、この日を境に寒さが増していきます。
暦便覧の原文には秋の真ん中の季節と説明あり
江戸時代にこよみを記した書物【暦便覧(れきびんらん)】によると、秋分は「陰陽の中分なれば也」と記されており、秋の真ん中の季節であると説明されています。
【秋分の七十二候(しちじゅうにこう)とは?】二十四節気を3つに分ける?気候の動きや動植物の変化で分かれる?
七十二候(しちじゅうにこう)とは、二十四節気をさらに3つに分けた期間のことです。
15日を5日ずつの期間に分けて、それぞれ「初候(しょこう)・次候(じこう)・末候(まっこう)」と呼びます。
古代中国発祥の季節を表す方式のひとつで、各七十二候の名称は、気候の動きや動植物の変化をさらに具体的に知らせるような短文になっています。
秋分の七十二候は以下のように記されています。
秋分 | 初候 | 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ) | 雷が鳴り響かなくなる |
---|---|---|---|
次候 | 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ) | 虫が土中に掘った穴をふさぐ | |
末候 | 水始涸(みずはじめてかる) | 田畑の水を干し始める |
田畑の水を干すとは、田んぼに水がなくなること、つまり収穫した状態のことです。秋分が稲穂が実り収穫をする時期であることを意味しています。
【秋分の日は何をする日?】秋のお彼岸?期間は?お墓参り?仏壇におはぎ?
毎年9月23日(22日もあり)頃を秋分の日と言い「祖先を敬い、亡くなった人をしのぶ日」として1948年に日本の祝日として制定されました。
そんな秋分の日は「祖先を敬い、亡くなった人をしのぶ日」なので、無くなった家族がいる場合はお彼岸としてお墓参りや仏壇におはぎのお供えをする事が常識です。
必ずしも秋分の日にお彼岸をするわけではなくその前後7日間程度なら問題ありません。
秋のお彼岸の期間は?
お彼岸とは、春分・秋分の日を基準として前後3日を合わせた7日間の期間のことをいいます。春分の日は春のお彼岸の中日(ちゅうにち)にあたります。
お彼岸はお墓参りをする?
お彼岸はご先祖や自然に感謝をささげる日本独自の仏教行事の期間です。お彼岸にはお寺の法要やお墓参りに行き、亡き人へ思いをはせて感謝する習慣があります。
お彼岸には仏壇に「おはぎ」のお供え物をする?
秋のお彼岸には、ご先祖様の仏壇に「おはぎ」をお供えする風習があります。ぼたもちとはおはぎと全く同じもののことを見していますが、春はぼたもち、秋はおはぎと呼び方が変わります。
ぼたもちとは「牡丹」の花からとった名前で、おはぎは「萩」の花からとっており、どちらも季節にちなんで名称が変わります。
まとめ
秋分について、意味や期間などは理解できたでしょうか。ただ単に昼と夜が同じ時間になる日を意味しているのではなく、背景には二十四節気という旧暦の考え方があるんですね。
シルバーウィークの旅行などだけでなく、秋分・お彼岸・お墓詣りといった本来の祝日の由来と伝統を忘れず、たまにはゆっくりご先祖のお墓を供養してあげてくださいね。