赤ちゃんが生まれて初めて迎える節句を初節句と言いますが、女の子なら3月3日の桃の節句を初節句として、健やかな成長を願ってお祝いしますね。
あれ?ひな祭りと桃の節句。
どちらも女の子の健やかな成長を願って祝っているようだけど・・・何が違うんだっけ?知っているようで、実はよく知らない人が多いかもしれないですね。
ひな祭りと桃の節句について紹介します!
目次
桃の節句とひな祭りに違いはない?歴史がキーワード?
「桃の節句=ひな祭り」です。
なんだー、やっぱりそうかーっていう感じですよね~。じゃぁ、どうして二種類の呼ばれ方があるのでしょうか。
この謎は、歴史を調べていけば、よく分かります。
まず、「節句」について学んでみましょう!
「節」には「季節の変わり目」という意味があり、古代中国の暦で定められていたものです。
そして、「節句」とは、その「重要な季節の変わり目に、神様に食べ物をお供えして、邪気を祓い、無病息災などを願った行事」のことです。
では、節句が五つもあるのをご存知ですか?
節句の種類
1月7日 | 人日(じんじつ)の節句 | 七草の節句 | 健康を願い、七草粥を食べる |
3月3日 | 上巳(じょうし)の節句 | 桃の節句 | 穢れ(けがれ)を祓う(はらう)為、人間の身代わりとして、息を吹きかけた人形(ひとがた)を水に流す |
5月5日 | 端午(たんご)の節句 | 菖蒲(しょうぶ)の節句 | 鬼を追い払う為、臭いのある菖蒲を軒に葺いたり、お風呂にいれたりする |
7月7日 | 七夕(しちせき)の節句 | 七夕 | 中国の牽牛・淑女の話が、日本の棚織津女の物語と合わさって生まれた祭り |
9月9日 | 重陽(ちょうよう)の節句 | 菊の節句 | 最大の奇数・九が重なる特に負担の大きい日とされた。中国では菊は不老長寿になると考えられていた為、邪気を祓い、長寿を願って菊の花が飾られた。 |
上表の五つの節句は「五節句(ごせっく)」と呼ばれ、元は中国(唐の時代)の制度でした。
よく見ると、節句の月日は全て奇数であることが分かりますね。
どうして?
中国では、偶数は縁起が悪いと考えられていたからなんです。
え?節句の月日は奇数ばかりだけど??
いえいえ、これがなんと!
奇数月+奇数日=偶数になるから、これは縁起が悪い!
ということらしいです。
ちょっとこじつけにも思えてしまいますが、大真面目な理由なんです。だから、そんな縁起の悪い日には、生命力をもらうために、季節の食べ物を食べたり、神様にお供えしたりして、邪気を祓うという行事が行われていたのですね。
節句の行事が日本に伝わったのが奈良時代?
最初は大名などお偉いさんたちの行事でしたが、次第に、庶民にも広がっていきました。
そして、農業をする人々が昔から行っていた日本の風習も混ざりあっていき、現在の五節句となったと言われています。
これらは、明治時代には廃止となってしまいましたが、現在でも日本人の間で受け継がれているのは、なんだか素敵なことですね。
上巳の節句を桃の節句と呼ぶのはなぜ?
旧暦の3月は、新暦では4月のこと。ちょうど、桃の花が咲くころですね。
だから、「桃の節句」と呼ばれるようになりました。
素敵ですね。
そして、上巳の節句は、明治時代に入ると、新暦でも3月3日に引き継がれました。これが、桃の花が咲くには少し早いのに、上巳の節句が桃の節句とも呼ばれる由来なんですね。
なぜ桃の節句をひな祭りとも呼ぶようになったのか?
この習慣が、節句と一緒に日本に伝わってきたのです。
やがて、節句の時に穢れを祓う為の道具として「人形(ひとがた)」が使われはじめました。人間の身代わりとして、息を吹きかけた人形を水に流すことにより穢れを祓おうという風習ができたのです。
現代でも「流し雛」をする地域がありますが、その風習の名残りですね。
また、当時、貴族の子どもたちは、紙で出来た着せ替え人形で遊んでいたそうです。これは「ひいな遊び」と呼ばれていました。
この「人形(ひとがた)」と「ひいな遊び」が合わさったものが、「お雛様」であると言われています。
やがて、技術が向上し、人形も豪華になり高級化。幸せを願って飾る、現在のお雛様へと定着していったのです。
これが、桃の節句をひな祭りとも呼ぶ由縁です。
なんだか、奥が深いですね。歴史を知ることで、健やかな成長を願う気持ちも更に強くなりそうですね。
桃の節句とひな祭りを祝う食べ物と言えば?
菱餅
菱餅も、中国がルーツとなっています。
中国では上巳の日に母子草(ははこぐさ)のお餅を食べて母子の健康を願う風習があったそうです。それが日本に伝わると、母子草の代わりにヨモギでお餅(緑色のお餅)を作るようになりました。
江戸時代になると、菱の実を入れた白い餅と組み合わせた二色に、明治時代になると、くちなしの実を入れた赤い餅も加わり、現在に伝わる三色の菱餅になったそうです。
また色にも意味があるのです。菱餅の意味については別記事で紹介しているので興味があれば合わせてご覧ください。
ちらし寿司&はまぐりのお吸い物
長寿の象徴の海老、見通しがきくレンコンなど、縁起の良い具材が沢山入っています。おせち料理と似ていますね。
卵に人参、三つ葉などを入れた、春らしい彩りもひな祭りにピッタリです。
また、はまぐりのお吸い物のハマグリの殻は、絶対に対の殻としかピッタリ合いません。そのことから、相性ピッタリの良い相手とめぐり逢りあい、幸せな結婚ができるようにと願ったものです。
ちらし寿司とはまぐりのお吸い物の意味については別記事で紹介していますので興味があれば合わせてご覧ください。
桃花酒・白酒・甘酒
桃が百歳を表す「ももとせ」に通じることから、長寿を願い、元々は桃花酒が飲まれていましたが、江戸時代には白酒が好まれるようになりました。
子どもにはノンアルコールの甘酒を飲ませてあげましょう。
ひなあられ
昔は、お雛様に春を見せてあげようと、雛人形をもって出かける風習があったそうです。その時に、ごちそうと共にひなあられを持って行ったのがはじまりです。
ピクニックのお弁当とデザートといった感じですね。お雛様に春を見せてあげようとは、なんて風流なんでしょう。
まとめ
桃の節句・ひな祭りに違いはなく歴史から呼び方に違いがあったんです。
桃の節句には、大切なお子さんを囲んで、健やかな成長を願いながら、ごちそうを食べて、ご家族で楽しい思い出を作る一日にしてくださいね。