時には虫の声が聞こえはじめ、涼やかな雰囲気になり、大地では実りが始まります。そして、涼やかになる時期です。
こうして、徐々に夏が終わっていくのを感じるのですね。
以下では処暑(しょしょ)について紹介しています。
目次
処暑とはいつのこと?日付は?
必ず8月23日と決まっているわけではありません。
その年によって処暑の日付は違います。年によっては8月22日になる事もあります。
まだ夏真っ盛りに感じていても、この頃から少しづつ、朝や夕などに涼しい瞬間を感じるようになっていきます。
2024年の処暑の日付
処暑の日付の具体例
処暑の日付を2017年から2024年まで見ていきましょう。
西暦 | 処暑 |
---|---|
2017年 | 8月23日 |
2018年 | 8月23日 |
2019年 | 8月23日 |
2020年 | 8月23日 |
2021年 | 8月23日 |
2022年 | 8月23日 |
2023年 | 8月23日 |
2024年 | 8月22日 |
2017年から2024年を例として見てみると、2024日だけ8月22日となっていることにお気づきでしょうか。
旧暦であるので必ずしも毎年同じ日付と言うわけではない事を覚えておきましょう!
処暑の時期は台風の時期?お盆とも重なる?
統計学上でも、台風の来る回数が多い日があると言われています。処暑の時期の台風は「野分」と呼ばれて、枕草子や源氏物語にも登場しているのです。農業を生活の中心としていた人々が、台風の到来にもかなり繊細になっていたのがうかがえますね。
そして処暑の頃は、「お盆」の時期とも重なります。
お盆については別記事でも紹介しているので興味があれば合わせてご覧ください。
このあたりの日程でお休みを取る方も多いですね。是非、ご先祖様の供養をしましょう。処暑の頃を中心に、京都では「地蔵盆」というお祭りがおこなわれます。
鬼から子供たちを守るお地蔵様を供養してさしあげるというお祭りなんですよ。
処暑とは旧暦の名称?二十四節気?
ここでは処暑とは何か?旧暦・二十四節気について触れていきたいと思います。
処暑とは旧暦の名称
毎年8月23日頃のことを旧暦で処暑と呼びます。では、二十四節気とは、一体どんな旧暦なのでしょうか?
二十四節気とは?
二十四節気とは、地球から見たときに太陽が1年かけて移動する通り道を基準として、1年を24等分し約15日ごとに区切ってつけた季節の名称を意味しています。
以下の太陽の図を見てみましょう。
春分を起点に24等分された地球と太陽の位置関係の名前は、位置関係と同時に季節も表していたのです。これが二十四節気とよばれる旧暦の正体です。
24等分して1ヶ月の前半を【節(せつ)】、後半を【中(ちゅう)】とよび、それぞれの区切りとなる日に季節を表す名前がつけられています。
【いつからいつまで?】処暑の期間は?「処暑の候」の期間も同じ?
処暑の期間(=七月中)は処暑の日から白露(はくろ)の前日の期間になります。
処暑の前は「立秋(りっしゅう)」、立秋があけて処暑をすぎると「白露」の季節がはじまります。
立秋や白露は同じく旧暦の二十四節気の名称です。詳しく知りたい!って人は別記事でも紹介していますので合わせてご覧ください。
「処暑の候」はいつからいつまで?
「暑さも一旦やわらぎましたが、〜」というニュアンスを込めた秋の時候の挨拶です。
「処暑の候」を使える期間は、処暑の期間と同じです。つまり処暑の日から白露(はくろ)の前日の期間になります。
ただ、最近は読み方も難しくあまりメジャーではない二十四節気の名称を使った時候の挨拶は使われる機会もまれです。「初秋の候」などの方が、相手もわかりやすいかもしれませんね。
処暑の意味・季節・由来は?
初秋の時期で、暑さもひと段落して涼しい風があたりを吹き渡り、ようやく過ごしやすくなる季節です。穀物も徐々に実り始めて収穫も目前になります。
山間部などでは早朝に露もかかりはじめ、秋の気配をにおわせます。
暦便覧原文による意味は?
江戸時代にこよみを記した書物【暦便覧(れきびんらん)】によると、処暑は「陽気とどまりて、初めて退(しりぞ)きやまんとすればなり」と記されており、暑さがおさまる季節であると説明されています。
二百十日(にひゃくとおか)・二百二十日(にひゃくはつか)の時期?
どちらも処暑の期間中に該当します。
この時期は穀物なども実り始め、収穫に向けた大事な時期。
しかし、台風襲来が多い時期でもあるため、台風によってせっかくの農作物が被害を受けてしまうことが多いため、昔の人は被害の多い日を目安とし、警戒を呼びかけていました。
処暑の七十二候(しちじゅうにこう)
15日を5日ずつの期間に分けて、それぞれ「初候(しょこう)・次候(じこう)・末候(まっこう)」と呼びます。
古代中国発祥の季節を表す方式のひとつで、各七十二候の名称は、気候の動きや動植物の変化をさらに具体的に知らせるような短文になっています。
処暑の七十二候は以下のように記されています。
処暑 | 初候 | 綿柎開(わたのはなしべひらく) | 綿を包む萼(がく)が開く |
---|---|---|---|
次候 | 天地始粛(てんちはじめてさむし) | ようやく暑さが鎮まる | |
末候 | 禾乃登(こくものすなわちみのる) | 稲が実る |
がくというのは綿のまわりの葉のような部分のことです。処暑の次候は現在でいう9月1日あたりで、ようやく暑さがおさまる時期とされています。
最近は9月1日に暑さが和らぐことすらほぼないですので、昔の日本がちょっとうらやましいですね。
まとめ
処暑について、意味や期間などは理解できたでしょうか。調べてみると、季節の期間を表す意味もあったということなどに驚きますよね。
日常生活では意識する機会もほぼないので、読み方と時期くらいをなんとなく頭に入れておけば日常生活で困ることはまずありませんので、「へ〜そうなんだ〜」くらいに理解するご参考になれば幸いです。